118話 何もないけど ページ20
特にこれといった会話がないまましばらくゴミ山の間にできた道を歩いていると、先の方にこの流星街には少し不釣り合いな小屋のようなものが見えてきた。
さらに近づいて小屋をみると、案外ちゃんとした作りになっていてAは驚いた。
「ねえ、どうしてこんな所に小屋なんてあるのかしら?」
Aは違和感のある景色に驚かない他の団員達に小屋の正体について尋ねた。
「ああ、Aはまだ団員じゃなかった頃だから知らねぇか!これはオレ達が作った小屋なんだぜ?いくら流星街でもゆっくり休む所は必要だろ?」
フィンクスが質問に答えた。
フィンクスは作った当時を思い出しているのか、懐かしそうに小屋の側面をそっと撫でた。
さらに他の団員によると、作った当初の側面はもう少し明るい木目が見えていたらしい。
きっとみんなこんな故郷でも大切なんだろうな…そんな雰囲気がAにひしひしと伝わった。
そして少しだけ流星街について触れてみたいとも思った。
「さ、入るよ」
マチはしばらく開け閉めされなかった扉をゆっくりと開いた。
ネジが少し錆びているのか、ギシギシと音がした。
マチに言われた通りに中へ入ると、中はとても簡素なものだった。
ほとんど家具はなく、隅に四つ足のどこからか拾ってきたであろう木でできた少し大きめの机と、そこに向かい合うように設置された椅子のみ。
「中、何もないでしょう?」
小屋の中をじっと見つめるAに向かってパクノダが微笑みながら言った。
確かにパクノダの言う通りここには何もない。
でも、「そうね、だけどヨークシンと変わらないわ。私は何もない方が好きよ」
「うふふ、そう」
パクノダの微笑みにほっとしたあと、チラリと他のツレ達は何をしているのだろうかとAが視線をやると、皆はよいしょと床に腰を下ろしていた。
フィンクスとフェイタンなんて寝る体勢に入っていた。
「…ちょっと、2人とも何をしているの」
まだ朝なのにこれからの時間を無駄にしようとしている2人を見てAは呆れように言った。
「そなの見ればわかるよ、私たち寝るだけね」
「な?フェイタンの言う通りだぜ?ここにはなんもねぇ」
2回目だが確かにここは何もない。
フェイタンとフィンクスの言う通りだ。
そこでAは何をしようかと少し頭を捻った。
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ダイヤ - 喘ぎ声 (2022年8月5日 22時) (レス) @page41 id: 27e98af43e (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ピポ助さん» コメントありがとうございます!旅団のみんなと夢主さんの理解が繋がる日が書けるといいなと思っているので、また更新したら覗きにきてくれると嬉しいです^^ (2019年10月29日 8時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメ失礼します!この作品すっごく好きです、、夢主健気、、、旅団のみんなもわかってあげて欲しい!!続きが楽しみです!更新待ってます、頑張って下さい! (2019年10月29日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - なにもしたくない系女子さん» そうなんですか!ありがとうございます^^引き続き楽しんでいただけると嬉しいです^^ (2019年10月27日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なにもしたくない系女子(プロフ) - 更新待ってました!お疲れ様です! (2019年10月27日 18時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月26日 22時