112話 懐かしの ページ14
「飲み比べ…にしちゃお前ら全然飲んでねェな」
フィンクスはノブナガとAが飲んだであろう缶の様子を見て状況を推察した。
「別に飲み比べなんてしていないわよ」
「だろうな、飲み比べでこんなんじゃ甘いな」
フィンクスは何か思い付いたかのようにニヤッとしてから、少しばかり図々しくノブナガとAの間に割って入った。
「ちょっと…フィンクス、近いわ。離れてくれないかしら」
Aは隣に入ってきたフィンクスを迷惑そうにみてから、ひじでフィンクスの筋肉質なゴツい腕を押した。
「おい、そんな押すなって」
フィンクスもそれに負けじと腕を少し振ってAのひじをどけた。
そしてこれまた勝手に缶の山から数本ビールをとって自分とAの前に適当に置いた。
「…フィンクスなんのつもりかしら」
フィンクスが自分の前に置いた缶ビールを怪訝そうに睨んでからAはフィンクスも睨んだ。
整った眉がキュッと下がって眉間にしわがよる。
「まあそんなこと言わずによ、ちょっと俺と飲み比べしようぜ？」
フィンクスは睨まれいることなど気にすることなく、にかっと笑って見せた。
どうしてこんなことがしたいのだろうか。
確かに昔は毎日こんなことをしてたけど…なんだか今はもう飲み比べしようとか、そんな…
そんなノリじゃないの知ってるくせに…
なんでまだ私に構ってくるのだ…
「もう…子供なんだから…、、
…でも、わかったわ…久しぶりにやりましょう、、私酔わないから」
今日みたいなノリは久しぶりだった。
だからだったのか、Aも少しだけ笑って返した。
Aが笑った直後、試合開始のゴングがなったかのように2人は一斉にアルコールを身体の中へ入れ始めた。
この雰囲気にノブナガは少し取り残されたような気持ちになったが、Aがちょっとばかり子供のように負けじとなる姿、バカの付き合いに乗る姿が懐かしくなった。
だから今回はそれを眺めているだけで十分だと思った。
……飲み比べが始まって何十分後の現在、2人はペースを落とすことなく酒を水の如く飲んでいた。
「おいおい、オメェら仕事に支障をきたすんじゃねぇぞ…特にA、オメェは疲れてるんだからやめとけ」
流石のノブナガも心配になったのかここで警告をいれた。
だが、2人には全く聞こえておらず戦いはヒートアップし熱を増すばかりだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ダイヤ - 喘ぎ声 (2022年8月5日 22時) (
レス) @page41 id: 27e98af43e (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ピポ助さん» コメントありがとうございます！旅団のみんなと夢主さんの理解が繋がる日が書けるといいなと思っているので、また更新したら覗きにきてくれると嬉しいです＾＾ (2019年10月29日 8時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメ失礼します！この作品すっごく好きです、、夢主健気、、、旅団のみんなもわかってあげて欲しい！！続きが楽しみです！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年10月29日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - なにもしたくない系女子さん» そうなんですか！ありがとうございます＾＾引き続き楽しんでいただけると嬉しいです＾＾ (2019年10月27日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なにもしたくない系女子(プロフ) - 更新待ってました！お疲れ様です！ (2019年10月27日 18時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月26日 22時
