109話 思いつき ページ11
自分の部屋へ帰る途中、Aは一応調理ができそうなものが揃っている部屋で、簡素で古いコンロや小さな冷蔵庫、錆びきったシンクがある箇所を通過しなくてはならない。
特に何かを探していたわけでわないが、なんとなくチラリとそこを見てみると、ワインでも入りそうなグラスが置いてあるのが見えた。
「…、」
Aはぐるりと辺りを見渡して近くに人の気配がないかを確かめた。
見渡した結果、薄暗くて小汚い通路に人の気配はなく静かだった。
そしてAは少しばかり周りを気にしながらグラスまで移動してそこに錆びたシンクから出てくる水をいっぱいまで注いだ。
そしてそれを持ってコソコソと自分の部屋まで戻っていった。
流石に部屋の中にはもうシャルナークはおらず、替えのガーゼなどがコタツほどの高さのテーブルの上に丁寧に置かれていた。
「…マメな男ね」
Aはガーゼ達を右腕で丸ごとテーブルの端に追いやって、先ほど水を注いだワイングラスを真ん中へコトンと置いた。
「さあ…試してみようかしらね…」
Aはグラスの前に腰を下ろして両手をかざした。しかし、「あら…大事なものを忘れていたわ」と言って辺りをキョロキョロと見回した。
「………、ああ、あれで十分だわ」
Aが視界に捉えたのは部屋の隅に寂しげに落ちていた数枚の葉っぱの山だった。
いつ部屋に入り込んだのかはわからないが、埃をいくらかかぶっていたから少し前の葉っぱだろう。
Aはそれ見つけたあと、山の中から一枚の手頃な葉っぱを摘んでそれをわずかに揺れているグラスの水面にそっと浮かべて座り直した。
そして両手をグラスの脇にかざした。
(水見式…しばらくぶりね…。)
Aはクロロにオーラについての秘密がバレたことからか、優秀な念能力者への第一歩である水見式を始め出した。
これは自分の念がどの系統に属しているかが分かるわけだが…。
Aは目を閉じ、ゆっくりと深呼吸をした。
「スゥー…ハァ…、始めよう」
そしてゆっくりと目を開いてゆらゆらと静かに揺れる葉っぱと水面を見た。
「練」
Aが「練」と唱えるとAの手が普段より多い量のオーラで包まれ、そこから強い生命力を放った。
そしてそのオーラはグラスへと伝わり徐々に徐々に水と葉に影響を与えた。
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ダイヤ - 喘ぎ声 (2022年8月5日 22時) (
レス) @page41 id: 27e98af43e (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ピポ助さん» コメントありがとうございます！旅団のみんなと夢主さんの理解が繋がる日が書けるといいなと思っているので、また更新したら覗きにきてくれると嬉しいです＾＾ (2019年10月29日 8時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメ失礼します！この作品すっごく好きです、、夢主健気、、、旅団のみんなもわかってあげて欲しい！！続きが楽しみです！更新待ってます、頑張って下さい！ (2019年10月29日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - なにもしたくない系女子さん» そうなんですか！ありがとうございます＾＾引き続き楽しんでいただけると嬉しいです＾＾ (2019年10月27日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なにもしたくない系女子(プロフ) - 更新待ってました！お疲れ様です！ (2019年10月27日 18時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月26日 22時
