97話 第2 ページ49
「ん?どうしたのA」
「いや…なんでも…。」
突然口ごもったため、シャルナークは何か気になったのだろう。
シャルナークとこのまま顔を合わせていると自分があまり近づきたくない話題にいってしまいそうだったのでAはシャルナークから視線を外して再び壁に向き直った。
「ごめん、窓閉めたのまずかった?開けなおそうか?」
窓を閉めたことに対してAが少し不機嫌になったかもしれないと勘違いをしたシャルナークはもう一度窓に手をかけて聞いた。
「…どっちでも」
「…そう?」
じゃあ…どちらでもいいなら閉めたいと思っていたシャルナークは窓から手を離してこの状態のままを放置した。
「ここらへんの風ばっかりに当たってるとなんか…優しくなり過ぎちゃいそうでオレは嫌いだなあ
ハハ、そう思うと流星街は良かったかもね」
「ごめん、その話やめて…」
「え、あ、ごめん、Aは流星街嫌いだったっけ?故郷にはあんまり捉われたくないタイプ?」
「別に…」
シャルナークはどうして故郷の話がしたくないのか理由を確かめたかったが、Aの機嫌も少し悪くなってきたようだし、あまり体調も優れないだろうから今回はさっと諦めた。
そして壁を向いてじっと動かないAを今はそっとしておくのが正解かと考え「じゃあオレはそろそろ行くね」と声をかけた。
「あ、さっき教えてくれたこと団長には報告させてもらうからね、お大事に」
もう反応も見向きもしないAにシャルナークは怒ったりしないで静かに部屋を出て行った。
この日からAはボーッと1人、ベッドの上で過ごすことが日課となった。
Aがハンター協会で働き始めたり、仕事を再開するようになったのはしばらくしてからだ。
マチやパクノダ、シズクといった女性陣がAの元を訪れても静かに一言二言返すだけで特に新しい情報も、会話もなかった。
動き始めるようになってからは、Aの言動は大人の女性らしく落ち着いていた。
それが面白くなかったのかこの辺りからAとフェイタンはあまり仲が良好とは言えなくなった。
誰かとのやり合いも無くなった。
ここから第2のAが始まった。
そんなことが言えるのかもしれない。
……………シャルナークが知っているAの昔話はここまでだ。
73人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます^^あやはさんも受験勉強頑張ってください!^^ (2019年8月16日 10時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます^^これからも読んでもらえると嬉しいです! (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした!また頑張ってくださ〜い! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね! (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミカヅチイヴ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月22日 12時