88話 結局の結論 ページ39
「私もクロロの目好き！」
Aは白い歯を見せて無邪気に笑った。
「ふっ…」
クロロは好きという単語を言われたのはいつぶりだと思いながら少しだけ笑みを浮かべた。
いや…そもそも好きと言われたことがあるのか…意味に関係なく。
そして現在のクロロが振り返ればAの満面の笑みを見たのはこの時が最後だったということに気づく。
クロロに会えて満足したAは立ち上がった。
お尻を払ったせいで砂埃が軽く舞う。
「どこかへ出かけるのか？」
クロロは部屋から立ち去ろうとするAの様子を見て聞いた。
「うん！妹のところに行こうと思って！」
「そうか…」
じゃあね〜と手を振りながら部屋を後にした名前を目で追いながらクロロは少し家族というものについて考えた。
そうか、Aには妹がいると言っていたな。
オレはー…いや、親の顔すら知らないな。
気づけばオレは幻影旅団の団長か…。
そうだ…オレは始めはただ欲しかったー…
自分の少年時代に想いを馳せつつ、親についても考えてみようと思ったが、やっぱりよくわからなくなって考えことを放棄したい気持ちになったクロロ。
いや、いいんだ。
生かすのは蜘蛛だけでいい。
結局、いつも通りの結論に至る。
こうして部屋に一人きりになったクロロは手にしていた古書を読むことを再開した。
……………
上機嫌で朝眠っていたスペースまで戻ると流石にもう眠っている団員はいなかった。
それぞれが自分のフリータイムを思うがままに過ごしていた。
蜘蛛の活動は基本夜だから朝から夕方までの間は今みたいなゆったりとした時間が流れる。
さて自分も自由に活動しようではないかと息巻いているとマチが「やっと帰ってきた」と声をかけた。
声が聞こえた方に視線をやると明らかに呆れている顔をしたマチがいた。
「はあ…あんたねえ…どこ行ってたの？」
「え、クロロのところだけど」
「Aはほんとに団長のことが好きだねえ」
飲み物を取りに行っただけじゃないのかと付け足しそうな感じだったがもういつものことなのでマチはそれ以上は言わなかった。
「で、今度話はどこに行くんだい？」
どう見ても今なら外に行くぞという足取りをしていたAだったのでマチは違う質問をぶつけた。
「妹のところ！」
「そうかい、気をつけな」
男勝りな時にみせる笑顔とは違う満面の笑みに思わずマチも口角が緩んだ。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます＾＾あやはさんも受験勉強頑張ってください！＾＾ (2019年8月16日 10時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます！これからも頑張ってください！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます＾＾これからも読んでもらえると嬉しいです！ (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした！また頑張ってくださ〜い！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月22日 12時
