86話 美色 ページ37
「目…」
Aはクロロが目に対して持っている特別な感情について理解するかのように呟いた。
Aはつい先ほどまでたかが目だろという風にしか感じていなかったが、クロロが目が好きだというのでこの時から少しだけ目について考えるようになった。
目が持つ力とはー…
「A、緋の目を聞いたことがあるか?」
「ひ…のめ?」
Aは初めて耳にする単語に片眉をあげながら聞き返した。
「知らないか」
クロロは下に座っているAの頭を優しくひと撫でしながら言った。
夜からまだ時間があまり立っていない朝だからAの髪からはわずかにシャンプーのにおいが香った。
「緋の目というのはな、クルタ族というやつらの目のことで彼らの目は興奮すると一時的に緋色になる特性を持つ。
この際に放つ色は世界7大美色にも数えられているんだ。」
「へえ!!世界7大美色?!」
世界7大美色という言葉に先ほどまでとは明らかに違う反応を示したA。
本格的なお宝の話に興味が湧いたようだ。
「ちなみに、緋色の目のままクルタ族を殺せばこの色は永遠に残る…」
「へぇ〜?…ということは?」
「オレたちはクルタ族を皆殺しにして緋の目をえぐり出し奪った。」
クロロは何一つ悪びれる様子もなくありのままをAに伝えた。
もちろん皆殺しという行動にAが驚くはずもない。むしろ緋の色が永久的になることの方が彼女にとっては興味の対象になった。
え〜いいなあ…私も見たいな〜などとなんとも言えぬニヤニヤとした表情をするAは、裏の人間特有の雰囲気があった。
しかししばらくしてAの顔は次第に曇り始めた。顔の影が濃くなってきてAが黙りこくるとクロロはそれを疑問に思って名前を呼んだ。
「A?」
「ねえ、クロロ…。目の色はえぐり出したら元の色を永遠に放つんだよね?…
だったら、クロロは私の目もえぐり出すつもり?
いい目をしてるって…言ったよね」
Aは珍しく真剣な顔をしてクロロにまっすぐ聞いた。
Aは震えてる様子もない。
恐れている様子もない。
しかしどことなく悲しそうに言う。
するとクロロは片手を本から離してAの目に向かって素早く手を伸ばした。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます^^あやはさんも受験勉強頑張ってください!^^ (2019年8月16日 10時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます^^これからも読んでもらえると嬉しいです! (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした!また頑張ってくださ〜い! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね! (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカヅチイヴ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月22日 12時