84話 楽しみが… ページ35
クロロは本を読むときに座るお気に入りの椅子があって今日もそこに座っていた。
なのでAもその椅子の隣に行って椅子のすぐ前の床に座り込んだ。
この部屋の床も古く地面と同化しそうだが、まだ他の部屋よりは随分マシだった。
「A、またフェイタンたちと騒いだのか？」
クロロは寄ってきたAの顔にできた生傷をみて、少し顔をしかめて聞いた。
「ん〜？」
Aは怒られると思ったのか、はっきりと答えなかった。
しかし、見るからに新しい傷たちが真実を物語っていた。
クロロはまた一つため息をついた。
Aへの心配と仕事の疲れが混じったようなため息だ。
「ねえクロロ！今日は何を持って帰ってきたの？」
Aは団員の中では唯一と言っていいだろうか、クロロのことを団長と呼ばずに名前で呼ぶ。
別に敬意がないというわけではないが、Aは他の団員とはちがう入団をしてきたためクロロのことを親しく思っていたからこう呼ぶ。
そして昔のAはクロロがアジトへ帰ってくると誰よりも早くクロロの元へ向かい、今日のお宝はなんだと聞くのだ。
「んー…いや、今日は何も持って帰っかえってきていない。」
「えー？！何も？！」
Aはいつも新しいお宝を楽しみにしていたが、残念ながらクロロは今日は何も持って帰ってこなかったようだ。
ちぇ…Aは本当の子供のようにがっかりしてそのままの勢いでクロロの椅子足にもたれかかって下に転がっている石ころを指でいじくりまわした。
年齢的にはAはもう十代後半であるが、今のAに比べるととても感情が表に出るし、わかりやすい性格をしていた。
「なんで今日は何も持って帰ってこなかったの…」
あからさまに残念がるA。
「今日は人と会う用ができたんだ。」
「へえ…」
Aはあまり興味がなさそうに言った。
普段はクロロがお宝を持ち帰ると、夜にそれを一緒に一通り愛でるというのが密かなAの楽しみであった。
しかし、肝心のお宝がないのでは話にならない。
クロロもAが楽しみにしていることを知っていたので少し意地悪そうに「お宝がなくて残念か？」と聞いた。
もちろんだというようにAは一回頷く。
するとクロロはしばらくして
「そうだな…今日はここにあるお宝を愛でようか」
と提案した。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます＾＾あやはさんも受験勉強頑張ってください！＾＾ (2019年8月16日 10時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます！これからも頑張ってください！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます＾＾これからも読んでもらえると嬉しいです！ (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした！また頑張ってくださ〜い！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月22日 12時
