78話 数年前ー… ページ29
シャルナークは少し真面目な顔になって「数年前ー…」と過去の話を始めた。
数年前、蜘蛛たちの朝は酒臭さからはじまることが日常だった。
夜は盗品の酒で飲み明かしてそのまま雑魚寝。
起きればゴミだらけ。
そんな夜の住人らしい乱れた生活が現在以上に定着化していた。
丁度シャルナークが話し始めた昔話もこんな朝から始まった。
もうとっくに太陽は登って空は輝いているのに幻影旅団、別名蜘蛛のメンバーは未だいびきの大合唱を繰り広げていた。
「う〜ん…」
おや？
いびきをかいていたうちの1人のフィンクスがもぞもぞ動き始めたようだ。
寝返りをしようとしていたが、体に何かが乗っかっているようで身動きが取れないようである。
「じゃまくっせえな……」
フィンクスは目を閉じたまま自分の腹に乗っかっている重いものを腕で殴り落とした。
どさっ…フィンクスの上に乗っていた重たい何かはやる気のない音を立てて地面に転がった。
ああ重たいものから解放されて体が楽だぜ…ともう一度夢の世界に入ろうとフィンクスはゴロリと横を向く。
するとその後ろでむくりと何かが起き上がりゆっくりとフィンクスを睨みつけた。
「お前…なにするか…」
どうやら朝から一発くらったのは低血圧気味で機嫌の悪そうなフェイタンだ。
低血圧に加えて、ふつうに朝が苦手なフェイタンは殴られたことにも機嫌を悪くしたが、殴ってきた元凶がのんきに寝ていることが何より許せなかった。
「いかい死ぬといいね」
フェイタンは憎しみたっぷりの拳をフィンクスの腹めがけて振り下ろした。
「ぐっ！！」
フィンクスの硬い筋肉とフェイタンの鋭い拳が衝突し、聴くには少々耐え難い音が快晴の中響いた。
してやったり…そんな風にフェイタンは切れ長の目をさらに細く長くして笑った。
「てめえ！なにしやがんだ！！オレの睡眠を妨害すんじゃねえよ！」
夢の世界から現実へ強制的に引き戻されたフィンクスは飛び起きフェイタンに向かってどなった。
流石強化系武闘派と言おうか、殴られた痛みより睡眠を妨害された事への不満の方がでかいようだ。
実にタフである。
「ハハ、いい気味ね」
「んだと？！」
2人は周りで雑魚寝している団員おかまいなしに言い合いを始めた。
だかこれは日常茶飯事、こんなことに動じる団員は1人もいない。
だからこれをいいことに2人の朝喧嘩はいつもヒートアップをしていく。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます＾＾あやはさんも受験勉強頑張ってください！＾＾ (2019年8月16日 10時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます！これからも頑張ってください！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます＾＾これからも読んでもらえると嬉しいです！ (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした！また頑張ってくださ〜い！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月22日 12時
