73話 ただ〜したかっただけ ページ24
「さあ、理由を話してもらうよ」
マチはフィンクスに押さえ込まれたままのノブナガを問い詰めた。
ふてくされていたのでノブナガがこの質問に答えるのには時間がかかるかと思われたが、案外あっさりノブナガは「ただオレァ昔みたいにAと手合わせしたかっただけだ」と答えた。
「「昔か…」」
マチとフィンクスは同時に昔という単語に反応し、過去を振り返るかのように空を見上げた。
「ああ…そういや、Aがヤンチャしてた時期…あったよね…懐かしい」
マチはノブナガが言っているAの様子を思い出して少しだけ口元を緩めた。
「…マチ、笑ってんのか？」
少しだけ微笑むマチにフィンクスはニヤニヤしながら聞いた。
しかし、聞いた時にはすでにマチはいつものキリッとした表情に戻っていて、マチはフィンクスを冷たくあしらった。
「A大丈夫？」
「…ええ」
同刻、Aはシズクに軽く押されながらアジトの中に到着した。
「おお、随分派手にやられたなあ」
丁度自室から出てきたフランクリンが後頭部から血を流すAをみて驚いた。
Aがフランクリンの方へ顔を向けると目があった。しかし力なくAは笑っただけで何も言わなかった。
「うーん、まだ血、でてるね」
シズクはAの細い髪をかきあげて傷口を確認した。傷は思ったより深くまだ血は止まっていなかった。
「流石にこのままじゃ血が足りなくなっちゃうかもね…止血、止血」
「いえ…大丈夫よ…。」
Aはシズクにこう言ったが、シズクは聞いておらず傷を止めるものを探しに皆の自室の集合地帯に続いている通路に入っていってしまった。
「…。」
Aはシズクが帰ってくるのを大人しく待ち、手当を受けるのが正しい行動だが、何を考えているのかAも自室がある通路へ向かってしまった。
「A、止血はした方がいいんじゃないか」
フランクリンが後ろからAを心配して引き止めようとしたがAは「大丈夫よ…」と言うだけで戻ってこようとはしなかった。
(うっ…疲れと出血でクラクラするわ…)
Aはフラフラとした足取りで細くて暗い通路を抜けていった。
壁を伝いながらやっとの事で自室へたどり着くと、ベッドに到達する前にAは力尽きて床に倒れ込んでしまった。
「はは…私も…まだまだ…ね…」
そうしてAはゆっくりと目を閉じた。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます＾＾あやはさんも受験勉強頑張ってください！＾＾ (2019年8月16日 10時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます！これからも頑張ってください！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます＾＾これからも読んでもらえると嬉しいです！ (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした！また頑張ってくださ〜い！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月22日 12時
