72話 禁止は禁止 ページ23
「マチ〜、フィンクス呼んできたよ〜」
フィンクスとともに再び戻ってきたシズクは1人で止めに入っているマチの元まで急いだ。
「うおっ…まじじゃねえか」
ノブナガとAが取っ組みあっていることを半信半疑にしか考えていなかったフィンクスは珍しい光景に驚いた。
マチが早く2人を引きはがせと言うように目で訴えてくるので「はいはい、わぁったよ」とフィンクスは答えてAとノブナガの肩を掴んだ。
「チッ!おいフィンクス邪魔すんじゃねえ!」
ノブナガは喧嘩が中断されそうになっていることにさらに怒りを深めた。
Aが蜘蛛をなめてんだと騒ぎ立てるが、団員同士のマジギレは禁止という絶対の掟があるのでどんな理由であれこの状況は一刻も早く止めなければならない。
一方Aはノブナガのように大声を出して騒ぐことはなかったが、掴みかかってくるノブナガの腕を握りつぶすように抑えて、手が自身に触れる寸前のところで耐えていた。
「ああ、もうお前らいい加減にしろ」
呆れたフィンクスは両腕を広げて勢いよく2人を引き離した。
さすが馬鹿力だけあって呆気なく2人の間に距離が生まれた。
一瞬距離ができたものの、ノブナガはすかさずAに掴みかかろうとした。
しかし、フィンクスがAの方は大人しくしていることが確認できるとノブナガを上から押さえ込んで動きを封じてしまった。
「くそっ、フィンクスどきやがれ!」
「やなこった、オレがどいたらお前またAに喧嘩ふっかける気だろ」
フィンクスに押さえ込まれてもなおノブナガは怒りが収まらないようでジタバタ暴れた。
対照的にAは口を固く結んだまま大人しく立っていた。
後頭部から流れ出ている血は結構な量とみえる。
「A、頭から血が出てるから止血しな」
「そう…ね」
マチが止血するように促す。
Aは口調は落ち着いていた。しかしどこを見ているのかわからない虚ろな目をしてそこから動こうとしなかった。
「…シズク、悪いけどAを中まで連れて行ってあげて。アタシはこいつ(ノブナガ)に用があるから」
「うん…A、行こう」
シズクはAの腰に手を回して後ろから軽く押すようにしてAをアジトの中まで連れていった。
Aが連れて行かれると残されたノブナガはふてくされたように舌打ちをしてようやく大人しくなった。
73人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます^^あやはさんも受験勉強頑張ってください!^^ (2019年8月16日 10時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます^^これからも読んでもらえると嬉しいです! (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした!また頑張ってくださ〜い! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね! (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミカヅチイヴ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月22日 12時