65話 それぞれの思い ページ16
(あ〜あ、勢いでAさんの仕事を引き受けるって言っちゃったけど、ボクやれるかな〜…)
パリストンは若干、勢いに身を任せた自分を後悔した。しかし、それはほんの数秒の思いで本当の思いは別にあった。
(でも…Aさんみたいな面白いオモチャがいなくなっちゃったらつまんないからね…それに比べたら仕事の引き受けくらい…)
パリストンは先程までのキラキラした笑顔とは別のどす黒い歪みきった笑顔でAというオモチャのことを想像した。
(あ〜あ、Aさんは今頃何やってるのかなあ、きっと大変なことになってるんだろうなあ)
この男はうすうすAが裏社会に住んでいるこに気づいていた。
自分も裏でコソコソ動くのが好きなタイプだからなにか通ずるものがあるのかもしれない。
「パリストンさーん、お電話ですー！」
ハンター協会で働いている1人がパリストンを遠くの方から呼んだ。
「はーい！今行きますー！」
パリストンは返事をすると、一瞬でキラキラした笑顔に戻して声のする方までかけていった。
その頃Aはまだ電話を握りしめたまま車の中で休んでいた。
「ん…これでいい…、しばらくハンター協会には立ち入らないでおこう…。このまま表社会で動いたらボロがでる…」
Aは正常に働かない頭で必要最低限のことを考えていたが考えいるうちにいつのまにか目を閉じてしまっていた。
「っ！いけないっ！」
自分が眠ってしまったことに気づいて慌てて時間を確認する。
時間を確認するともう夕方になっていた。
空もオレンジ色に染まりもう夕方だということを伝えていた。
「私としたことが…無為な時間を過ごしてしまったわ。」
頭を抱えて無生産に終わったほぼ1日を振り返る。
ああ、そうだ子供を送ってきたんだった。
Aは車の窓を下げて外の音に耳を澄ました。
すると潰れかけた少女の鳴き声がまだ聞こえた。
もう何時間泣いているのか…想像もつかなかった。
しばらくしてAは少女の鳴き声を聞いてももう何も動揺することがなくなったことに気づいた。
睡眠のお陰かしら。
さっきの時間は無駄な睡眠だと後悔したが一つ意味のあったものだと感じ、少しだけ有意義な時間だと思い直した。
「強く…強く生きるのよ」
Aは少女が泣き叫ぶ家に向かってそう呟いた。その横顔は一瞬だけ蜘蛛から離れた妹を持つ姉としての面影が見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます＾＾あやはさんも受験勉強頑張ってください！＾＾ (2019年8月16日 10時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます！これからも頑張ってください！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます＾＾これからも読んでもらえると嬉しいです！ (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした！また頑張ってくださ〜い！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミカヅチイヴ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月22日 12時
