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62話 妹 ページ13

「はあ…すごく…疲れた……。」



なにか目に見えない重たい塊がのっかてきたかのようにAはどっと疲れを覚えた。
どうしてこんなに疲れてしまったのか、しばらくAは原因がわからなかった。



特に体力を使ったわけではない。
なんなら今まで丸数日一睡もせずに動き回っていた時だってある。




どうしてこんなに疲れたの…。



ぼーっとする頭でしばらく考えていると、ふと気付いた。



ああ…そうだ…心だ。心が痛いんだ。




心か…。こんな疲れいつぶりなのだろうか何故心が疲れているのかもよくわからなかった。
しかし、Aは無意識に心臓に近い左胸のシャツを握りしめていた。



シャツのグシャッとなったシワはまるでAの心情を具現化したようだった。






痛い
痛い
痛い



Aがしばらく物理的でない痛さに耐えているとき突然「あなたの大切な妹の名前は?…」と空気に等しいわずかな声で一言言った。



言った。というより漏れたという方が正しい表現かもしれない。






「え…」

Aはしばらく自分が発した単語を認識するのに時間がかかった。






わずかに時間を遡って自分が行った口の動きを再現した。するとようやく何を言ったのか理解したようで突然ハンドルから起き上がった。





「っ………!!」




慌てて口元を押さえて辺りを確認した。
勿論周りには誰もいない。




(この名前、口にしたのいつぶり…だったかしら)






蜘蛛のメンバーは全員Aに妹がいることを知っている。
しかしAはメンバーに妹の名前すら教えていなかった。
教えてあるのは妹とという存在と彼女が病気であるということだけ…。




つまり、ほとんど何も教えていないのだ。
だからAは妹の名前を出してしまった時、思わず辺りを確認してしまったのだ。







「病気……病気かあ…。アハハ…本当に病気ならいいのに…。」






Aは先程勢いよく起き上がったのはいいものの、やはり疲れているのか車のシートにベタッと背中を預けてしまった。






「はあ…今日くらい……休んだっていいよね」



うん、そうだ今日くらい休んだって…
そう自分に言い聞かせてAはおもむろにズボンの中から携帯を取り出した。








―――――――――――――――――――――――
妹様のお名前を設定していただくと、作品が読みやすくなると思います^^

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設定タグ:HUNTER×HUNTER , 幻影旅団 , ハンターハンター   
作品ジャンル:アニメ
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます^^あやはさんも受験勉強頑張ってください!^^ (2019年8月16日 10時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます^^これからも読んでもらえると嬉しいです! (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした!また頑張ってくださ〜い! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね! (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミカヅチイヴ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年6月22日 12時

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