41話 今夜の鴨 ページ42
「はぁ…いけない…こんなことしてる場合じゃないわ。自分のことやらなくちゃ…ね」
夜もかなりふけてきた。
ちらりと天井の隙間から微かに見える月に目をやる。
「あら…今夜の月は恥ずかしがり屋なのかしらね…」
今日の月はうっすら雲に隠されてわずかしか顔を出していなかった。
そして次に腕の中に倒れる少女に目をやる。
このままこの場所に寝かせようと思ったが流石に可哀想だと盗賊の心ながらに思ったので自室のベッドに寝かせてやることにした。
「んっ…しょっ…」
少女を抱きかかえやすい体勢に持ち替えて静かに抱き上げた。
人が無になって眠っているときは、起きているときより体重がかかるので少し重く感じる。
「人の重みね…」
Aはポツリとそんなことを呟いて部屋へ続く狭くて暗い通路へ入っていった。
自室に向かう途中で戸の隙間から光が漏れている部屋があった。
最近は皆、仕事が落ち着いているのか夜に帰ってきている団員が多い。
部屋の位置を確認するとシャルナークの部屋だった。
「あら、シャルナークいるのね。いいところに」
そしてAはいいもの捕まえたと言わんばかりの微笑みで戸を軽く二回ノックした。
「シャルナーク〜?いるのでしょう〜?」
「は〜い」
さわやかな青年の返事が返ってきた。
「入るわね。」と戸の手をかけた瞬間、
「えっ?待ってA?ま、待って…えっとシャルナークはここにはいないよ?…」と中から声が聞こえた。
「…は?」思わずAは素の声を出した。
その頃シャルナークは(ま、まずいぞ…Aだ…Aを部屋に入れたら絶対面倒ごとを押し付けられるぞ…)とあたふたしていた。
(あー!もう…どうしよう…)と頭の中でぐるぐる考えていると後ろでガチャっと扉が開く音が聞こえた。
恐る恐るシャルナークが振り返ると、そこには片眉を曲げてちょっと不機嫌にしているAが子供を抱きかかえて立っていた。
「あはは…おじゃまするわね?」
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです^^ (2019年7月26日 23時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あ - とても好きです (2019年7月25日 20時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - フェイタン天使さん» こんにちは^^コメントありがとうございます^^とっても丁寧なコメント嬉しいです。そろそろ頑張って再開するのでよろしくお願いします^^ (2017年10月18日 20時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - 始め方(プロローグ)がとても好みでどういう展開が来るのかワクワクしました。妹の病気の話も気になるし、主人公の最期はどんな感じなのかもすごくワクワクします。更新待ってます (2017年10月18日 20時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月31日 17時