1話 バーで ページ2
ここは、ヨークシンシティにあるバーである。
主な日記の作者であるAは、町の隅に静かにたたずんでいるこの場所を気に入っており、よく訪れては酒で口を湿らす程度に飲んでいた。
全体的に木を多く使った内装を薄暗いオレンジ色の電気が室内を照らしており、落ち着いた雰囲気をかもしだしている。
その中でカウンターにAは腰をおろしていた。
「マスターいつものを下さる…？」
左手で頬杖をつきながら酒を注文するといつも「かしこまりました。」とマスターが手際よく作ってくれた。
スッ…と差し出された酒がユラユラと揺れ、光を反射させている。
Aは細長い指でグラスを持ち上げ艶やかに光る唇に近づけた。
アルコールの香りが鼻をツンと刺激する。
「はぁ…っ」
いい感じに体にアルコールが染みわたってほどよくリラックスしているとマスターが話かけてきた。
どうやら今日の客は私一人のようだ。
「今日はノンアルコールを頼まないんですね」
「そうね…もう仕事は終わったから。」
Aは仕事の性質上、すぐに車を運転できる状態を作っておく必要があったので、気分だけでも…と思いノンアルコールをよく注文していた。
だからマスターは疑問をもったのだろう。しかし、まだ疑問はあるらしい。
「でも、お酒のんじゃったら運転できないでしょう？タクシー呼びましょうか？」
気をきかせてくれようとするマスターの手にはすでに電話が握られていたが、私は断った。
「ありがとうマスター。でも大丈夫よ、今日は迎えを呼ぶわ
…っというか、もう来ているんじゃないかしら？ここへ来る前に頼んだの」
いつもは少し余裕があるので歩いて帰ることが多いが、今日はヒールをはいたまま走ったり、立ちっぱなしだったので足が棒になっていた。
最後の一口をグイッと勢いよく飲みほすと、ご馳走さまっと言って席をたった。
「あぁ、もう帰るのかい？」
少し寂しそうにマスターは眉を下げて問う。
「ええ、美味しかったわ」
「そうかい、迎えは彼氏かい？」
「うふふ、違うわただの友達(組織)の人っ、」
じゃあ、さようならと扉に向かって重たい足を向けてヒールを鳴らしながらドアノブへ手をかけた。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです＾＾ (2019年7月26日 23時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あ - とても好きです (2019年7月25日 20時) (レス) id: 0b49310475 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - フェイタン天使さん» こんにちは＾＾コメントありがとうございます＾＾とっても丁寧なコメント嬉しいです。そろそろ頑張って再開するのでよろしくお願いします＾＾ (2017年10月18日 20時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
フェイタン天使(プロフ) - 始め方(プロローグ)がとても好みでどういう展開が来るのかワクワクしました。妹の病気の話も気になるし、主人公の最期はどんな感じなのかもすごくワクワクします。更新待ってます (2017年10月18日 20時) (レス) id: 0471dee109 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカヅチイヴ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月31日 17時
