アネモネの花をキミに

セイラちゃんの言動 ページ22

セイラside

言うべきか

チトセ様に、さっきあった事を伝えるべきか

伝えれば、フウカ様に何をされるか分からないし、
チトセ様がフウカ様に会いに行く可能性が出てきますものね

だけど、伝えなければ、血に反することになりますね

私は青の城の者の陰、青の城の者のために生きる者

どうしよう……

そうやって考えているうちに下校時間となってしまった

チトセ「セイラ」

セイラ「チトセ様」

私はチトセ様といつも一緒に帰っています

チトセ「今日は元気ないな」

セイラ「チトセ様は分かるんですか？」

チトセ「なんとなくな」

チトセ様はスゴい

私の口数が少し少ないだけで元気がないことに気づいてしまう

チトセ様はフウカ様が好きなのでしょうか？

セイラ「チトセ様」

チトセ「なんだ？」

セイラ「チトセ様はフウカ様が今でも好きなんですか？」

チトセ「まぁな、多分ずっと好きだ」

セイラ「そうですか」

チトセ「会えなくても、話せなくても、触れなくても、ずっと好きだ」

セイラ「なんでですか？」

チトセ「フウカがそうしたいと思ったからだ」

セイラ「？」

チトセ「好きな人には1番幸せになってもらいたいんだ」

そう言って笑うチトセ様の笑顔は、この3年間で1番輝いていた

そうか、私は









フウカ様に恋しているチトセ様が好きなんだ


−好きな人には1番幸せになってもらいたいんだ−

その通りですねチトセ様。

私は、チトセ様が好きです

なので、チトセが1番幸せになれるように頑張ります

セイラ「今日のお昼休みにフウカ様とお話しました」

チトセ「本当か？！？！」

セイラ「はい、フウカ様は御父上の病気を治す薬草を探しているようです」

チトセ「フウカの父親はもう亡くなったんじゃ…」

セイラ「なんとか生きているようです、ですが、生きている事は青の城の者に知られるとまずいそうです」

さっきまで悩んでいたことが嘘のようだ

口からスラスラと言葉が溢れてくる

チトセ「どうしてだ？」

セイラ「フウカ様の御父上が死んだことになっているのは青の城の者が関わっているからだそうです」

チトセ「俺の一族が何かしたって事か」

セイラ「そういう事になりますね」

チトセ「何をしたんだろう」

セイラ「分かりません、ですが、フウカ様は今でも銀の国の正統な後継者だそうです」

チトセ「なにっ？！」

セイラ「フウカ様が生きている事をレイア様は知っているようです」

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