起きる前にキスして。【短編集】

◎ 西川龍馬 - Request ページ9

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#63 side


「 りょーま！やばい！見て！ 」
『 なに 』


今日のAはやけにテンションが高い。


「 まだ動物園の入口ゲートなのに
もうこんなに楽しい！ 」


動物園デートそんなに来たかったのか....。

久しぶりのオフだからゆっくり家で過ごそうかと思ったんだけど、ずっと連れてこれてなかったし。

入口ゲート通過するだけでこんな盛り上がってるAを見ると、来て良かったなあ。と痛感。



最初に出会ったのはお猿さん。
Aもお猿さんを気に入ったようで

「 大きい声では言えないけど菊池さんに似てるね！ 」

と。別に大きい声で言ってもええんやで。



次に出会ったのはコアラさん。
こちらもAは気に入ったようで

「 わ！岡ちゃんいっぱいだ！ 」

と。岡ちゃんは一人だけやで。



その次に出会ったのはカピバラさん。
こちらはAの大本命だったようで

「 今村さん！大瀬良さん！一岡さん！
全員可愛いね！りょーまもそう思うでしょ？ 」

と。せやな。全員可愛いな。お前が一番可愛いけどな。



その後も色んな動物さんと触れ合って
もう夕日が出てくる頃。




「 そろそろ帰るよ 」
『 えっ 』


今まで見せたことない悲しい表情を
訴えるように見せてくるA。

そんな可愛い顔してももう暗くなるし
帰らないといけないんですよ。無念。


「 もう帰るの？ 」
『 うん、Aも明日仕事なんやろ？ 』

「 そうよね...楽しみには絶対終わりがあるもんね... 」


まだいようか、と言いたくなるほどに可愛い。
でもだめだ、明日はAも仕事なんだから！


『 また来ような 』
「 うん、でも今度は水族館が良い 」
『 なんやねんそれ 』
「 お魚の中には似てる人いるかな〜 」
『 おるかもしれんな 』
「 楽しみ！早く次のお休みになってほしいね 」


ああ、神様。俺に早く休みをください。



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リクエストありがとうございました！♡



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