たかしくんと彼女さん。

▽あほ ページ11

あほ





あれは一昨日の夜のこと。


「ごめん、たかしくん、次の月曜日大学の飲み会入っちゃった」


「ん？行っておいでよ」


「ほんと、ごめんね、一緒にいようと思ってたのに」


「いいよ笑

…けど、酒飲むなよ、」


「そこは大丈夫、飲んだことないもん、断るよ」



「迎え、行こうか？」


「え、ほんと！助かる！」


「じゃあ連絡して、何時ぐらいになりそうなの」


「11時には終わると思うんだけど…」


「分かった」



少し心配だったけど、そんなに過保護にする年でもないだろ、って思って迎えつきで許した。








現在、時計は23:25


連絡がない。Aが約束を破ったことは今までない。


…どうしよう、


酒、飲まされたかな。

飲み会って男もいんの？


なんか、やな予感しかしねぇ


場所は聞いてたし、やっぱりなんともなくても外で待っていよう、と鍵をとった。









23:56

日付越したら、入ってみるか。









「すいません、○○大学の飲み会ってどこでやってます？」



「あ、はい、お座敷の左側です！」


「あざっす」


賑やかな音がする空間にのれんをくぐって入る。



「「「わっはっはっは」」」



いきなりの重圧に少し押されながらも、Aを探す。



「Aちゃん、彼氏いないの？」


「…………ん？」


「もーさっきから聞いてんのぉ？」


「んー、」


いた。ほら、男に絡まれてんじゃん。ばか。



「あほ、なに飲まされてんの。」
Aの腕を引っ張る。


「へ？」


「はい、水飲んで」

冷たい水を半ば強引に飲ませる。


「、うぁ、たかしくんだ」


「もう、帰るよ」


「ん、かえる、」


Aの上着とカバンを持って立ち上がる。



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