虎と兎。

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｢冗談で、本当にキスしないでよ｣



ぽたぽたと涙を流しながら



じっと俺の顔を見るA



SN｢…冗談だって思うよな｣



｢…もう、疲れた。やめようよ｣



SN｢俺と関わるのを?｣



｢スニョンと関わるの辛いんだよ…。私の気持ちも知らないでっ｣



気持ち?


俺の事も知らないくせに?



SN｢俺が、本気でお前の事、


Aの事好きだって知ってんの?｣



｢それも冗談で、｣



SN｢冗談じゃない!!



俺は、本気でお前のことが好きなんだよ｣



｢…っえ｣




目を見開くA



また、目の周りが赤くなってる




本当に




SN｢兎みたいだな｣




｢何言って…｣




SN｢寂しがり屋だから?｣





寂しがり屋で




怖がりで





心配されたことがなくて




親の愛情も知らない





俺が普通だと思ってた




周りも同じだと思っていた




育ち方じゃなかった




Aが





こうやって素直になれなかったり




自分に嘘をついたり





他人に迷惑をかけるのを嫌がったり




なのに自分は無茶をする




けど、






助けを求められるから




それで十分なのかも




SN｢…寂しがり屋の兎さん?｣




｢…スニョンは虎だね｣




SN｢ハムスターじゃなくて?｣




｢虎。スニョンに何回喰われそうになったか…｣




SN｢喰われたいの?｣




｢遠慮しておきます｣





ははっと笑ったA





ゆっくりAの頭を撫でた





｢どうしたの｣




SN｢俺、Aが好き。


俺と付き合ってください｣

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