虎と兎。

story.39 ページ39

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すごく




すごく久しぶりに



幸せな夢を見た



暖かくて幸せな夢




目を開けると




｢っ…?!｣




目の前でスニョンが寝ていた



外はすっかり暗くなっていた




｢こんなところで寝てたらスニョンも風邪ひいちゃう｣




床で寝ていて




毛布をかけていても少し寒いのに



けど、




布団も毛布もひとつしかない





｢…｣





ゆっくりと自分がかけていた毛布をスニョンにかけた



寝顔も、かっこいいな




なんて思いながら



スニョンに背を向けて毛布の端っこに少しだけくるまった





少し寒いけど




これでいい





どうせ寝れないから




明日になったら帰ってもらおう



流石に風邪も治るだろうし





ちらっと机の上を見ると



飲み物や薬が置いてあるのが見えた




色々準備してくれたんだ




｢…ありがとう｣




寝ているからこそ言えるんだ



起きてる本人になんか言えない




毛布がすっと引っ張られ




振り向くと





｢…お、きてたの｣




SN｢毛布かけてくれた時から｣




｢そっか｣




SN｢うん。…一旦起きれるか?薬飲まないと｣




何事も無かったかのように



接してくれるんだ




ゆっくりと起き上がると




体はだるかったけど、頭痛はさっきほど酷くはなかった




SN｢これと、これ。飲めるか??｣




｢うん｣




2つの薬をゴクッと飲み込んだ




SN｢ん、よく飲めました｣




ぽんぽんと頭を撫でられた




｢ちょっと、ガキじゃないんだから…｣




SN｢ははっごめんごめん｣




｢…寝るね｣





赤い顔を隠すために毛布を被った





SN｢そんな端っこじゃなくてちゃんと毛布かけろよ｣




｢スニョンが今度風邪ひきそうだから｣




SN｢はぁ…。じゃあこうすればいいだろ｣




｢えっ…｣




しっかり毛布をかけられたと思ったら




｢え、スニョ｣




SN｢これなら寒くないだろ｣




｢寒く、はないけど!!ｺﾞﾎｯ…けど｣




SN｢いいから早く寝ろ｣




お互いが背中合わせの状態





静かな部屋




数分経つと寝息が聞こえてきた





いつもなら私も怖くて寝られない





だけど、さっき飲んだ薬のせいか




眠くなってきて





ゆっくりと瞼を閉じた

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