虎と兎。

story.29 ページ29

.




｢え｣




私の学校の制服??




｢…あの何か?｣




顔は見てないから誰かわからない



男子で仲良い人なんかいたっけ?






なんでこの人は何も話さないの?



ずっと無言で立たれても怖いだけ



｢…用がないなら__｣



ドアを閉めようとしたらガっとドアを掴まれた




｢ちょっと、…っあ｣



驚きで顔を上げると



目の前にいたのは





スニョンだった




｢…っ｣





すぐに目を逸らした



帽子を深く被って




｢ごめん。帰って…｣





唇を噛み締めた



今1番会いたくない人



会いたくてたまらない人




｢じゃあね｣




バタンとドアを閉めた



今度は止めてくれないんだ





ほんとに何しに来たんだよ




｢…ばかぁ｣





堪えていた涙がまた溢れてきた



なんであんな顔してたの



スニョン…





｢スニョンっ…!｣




急いでドアを開け外を見た



だけどスニョンはもう居なかった




…もう、なんなんだ




なんで、来たの



何しに来たの




なんでそんなに悲しい顔してたの





涙が止まらない


頭の中はぐるぐるで




どうしていいか分からない


次から次へと涙は溢れて



玄関にうずくまり


頭を抱えて泣いた









.





.






｢__会いたいよ…スニョンっ｣





.





.







.







___バカｯ








｢えっ__｣





バタンとドアが閉まる音が聞こえた





SN｢ちゃん、とドア閉めろよっ危ねぇなっ｣




｢ス、ニョ…なんでっ!!｣





スニョンに抱きしめられていた



なんでスニョンがいるの




さっきいなかったじゃん




なんでよ





｢なんでスニョンがいるの｣




SN｢…会いたいって聞こえたから｣





｢…っぁ、ちが__｣





SN｢俺も会いたかった｣





ギュッと力強く




抱きしめられた




抱きしめた




ギュッと






SN｢なんで、学校来ないんだよ｣




｢…どうやって会えばいいかわからなかった｣




SN｢普通に会えばいいのに｣




｢普通にって、スニョンは平気なの、?｣





私が悩んでたのがおかしいの??


スニョンはなんとも思わなかったの?





｢何も気にしなかったのっ?｣




抱きしめられていた手がスっと離された




SN｢気にするに決まってんだろ!!


4日も来ない連絡もないし…はぁっ｣




気にかけてくれてたんだ

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