虎と兎。

story.21 ページ21

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教室を出て下駄箱に向かおうとした時




｢A｣




ぐいっと後ろから腕を引っ張られた




｢え、スニョン?!


先に帰ったんじゃ…｣



｢ジフン達のところにいた｣



｢…ふーん、ジフンは、もう帰ったの?｣



｢先帰った｣



｢スニョンも帰ればよかったのに｣



｢まぁね、行こ｣



｢あ、うん｣




少し雰囲気が違う



足早に前を歩くスニョン



下駄箱につき靴を変え校舎から出る


1歩前を歩くスニョン




｢なんかあった?ジフン達と｣



｢なんで?｣



｢いや、何となく。雰囲気が違うから｣



前を見たまま話すスニョン



なんか怒ってる?




｢スニョン?｣



急に立ち止まり振り返った



｢…なんで言わなかった?｣



｢なんのこと?｣



｢俺と付き合ってないって言えば終わる話だったろ｣



｢聞いてたんだ｣



｢俺が教室出てすぐにあんな話するから、聞こえるでしょ｣




最初から最後まで聞いてたんだ

全部聞かれてたんだ




｢で?なんで付き合ってるなんて言ったの?｣



｢なんでだろうね、自分でもわかんないんだよね｣




ハハッと笑った


本当は情が湧いた



のと、少しだけ渡したくないって思ったのは本当




｢はぁ、あんな事になるなら言わなきゃ良かった…!｣




何故か眉間に皺を寄せて頭を抱えるスニョン


ため息ばっかり着いていた




｢心配してくれた?｣



｢当たり前だろ!｣



｢っ?!｣



冗談で言ったつもりなのに



心配してくれるんだ




｢…はぁ、なんかあったらすぐ言えよ


早く行くぞ｣




｢うん｣





嬉しかった



心配してくれたことが





.




少しづつ



少しづつ




スニョンの事を




__になっていく




けど





気づかない振りをした

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