暁の入れ替わり BL 3rd Street

第100話 圭人 ページ7

翌日



天気は生憎の雨であった



有岡はいつもの通学路を歩いている



「おはよう」



そこには伊野尾がいた



「…おはよう」



「ちょっと話したいことがある」



伊野尾はその場で昨日、中島と山田と話したことを全て話す



話し終わると有岡は呆然とした顔で立っていた



そして傘を落とす



伊野尾は自分のさしていた傘を出すが有岡は振り払ってどこかへ駆けて行った



「大ちゃんが逃げた!?」



学校で中島と山田に話す



「話をしたら逃げられたんだ。



まぁ、ショックだったんだと思う。



だから…あと少ししかないけど時間をかけて説得する」



山田は自分の席を見る



そこは1日空席であった…



「涼介来なかったね」



「無断で欠席って珍しいな」



クラスメイトもその話をしている



そのまま時間だけが過ぎていき、部活活動時間となった



しかし、有岡は無所属だったので山田はある人物に話を聞こうとした



「…圭人」



岡本である



「どうしたの？やまちゃん」



「話したいことがあるんだ」



「いいよ。



けどここじゃなんだから…」



俺の家来て



岡本の家はマンションであった



「ただいま。



…って言っても誰も居ないんだけどね」



「両親は？」



「出張。



今は外国だったかな？」



岡本と山田は岡本の部屋に入る



そこには沢山のイギリス英語の本が置いてあった



「イギリスに留学してたみたいだから」



どこか他人みたいに言う岡本に少しだけ恐怖を感じた



「…圭人はなんで大ちゃんに入れ替わりのことを教えたの？」



「そんなの決まってるじゃん」



見てて面白いから



その言葉に山田の背筋がゾクッとなった



「でもさ。



人間時間が決まってるんだ。



中学校は3年間。高校も3年間。



入れ替わりを教えて見ているのに時間が足りない」



岡本はいつもの笑みで山田に言う



「だったら自分が入れ替わって何度と中学生、高校生を繰り返せばいいんだって気がついたんだ」



「…前の…岡本圭人は？」



山田は聞かずに居られなかったことを聞いた



「今澤龍になって…死んだんじゃない？」



「…今澤…龍って人は…」



「山本樹になって死んだ」



「山本…」



「山本樹は俺」

第101話 手伝う→←第99話 グループ電話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す