暁の入れ替わり BL 3rd Street

第106話 向かえ ページ13

大きな音が聞こえる



目を瞑っていた山田が恐る恐る目を開けると



「…圭人…」



岡本が右手で有岡が振り下ろした棒を握っていた



「岡本!!」



「わざわざやまちゃんが助けに来たのに大怪我させようだなんてね。



…それが大ちゃんの本性なんだね」



そう話す岡本の目には光が灯っていなかった



「助けに来たって…余計なお世話…消えろよ!!」



有岡は叫ぶ



「大ちゃん…一緒に帰ろ？」



そんな有岡にも山田はいつも通り接する



「…はぁ？



中島だけじゃなくていのちゃんもお前の味方だった。



ざまぁって思ってんだろ!!」



「俺は…期待していた」



山田は絞り出すように言葉を続ける



「皆…入れ替わりに気づてくれるんじゃないかなって。



…大ちゃんも最初なそうだっんじゃないのかな？」



「…はぁ？



何様のつもりだよ」



山田は自分の胸を叩く

「俺の体を奪ったのは…先に近づいたのは大ちゃんじゃん!!



だから俺にもちょっと偉そうなこと言う権利くらいあると思う」



「馬鹿じゃないの？」



有岡は苛立ちを見せる



「…馬鹿だって分かってるよ。



だって大ちゃんに何言われたって…。

本当に…無事に生きてくれて良かったって…思うから」



有岡は目を見開く



そして棒をを下ろし



そのまま手を離した



「やま!!」



ちょうどそこに中島と伊野尾がやってくる



「大丈夫？」



「…俺は…」



伊野尾は山田たちの横を通り有岡の前に屈む



「向かえに来たよ。



大ちゃん」

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