じさつ願望、叶えて差し上げます

第八話　姉弟 ページ9

「あんた達ねえ……！さっきから聞いてればごたごたと関係ない話を！
…じさつをやめさせないんだったら、力尽くでもやめさせてあげるわよッ！」


一人で、無謀にも突っ込んでいく。

しかし……バキュン、とつんざく様な二発の銃声がそれを止めた。

シュゥウ、という音と共に煙が晴れると、撃たれた所には小さな穴が開いていた。

それを見たネルはぞっとする。あと少しでもリガモの反応が遅れていれば脳天を打ち抜かれていただろう。

幸い、リガモの体にはかすった程度で、血はまだ、ツー…と流れ出ているがさほど重傷ではない様だ。


「……はじめまして……の人が多数ですかね。
シュビッシィーの構成員、アトリ・エルートと申します。よろしく……お願いします。」


ぎらりと目帽子のツバから覗かせて、こちらへと自己紹介をする。

姉を。撃ったのだ。実の姉を。


「う、そ…、ねえ、嘘よね？ねえアトリ！」

「嘘じゃありませんよ、姉さん。」


そう言いながら銃弾を補充する。

カチャッ、チャッ……そう言ってホルダーをくるくると回す。

そんな中、ギフトは言った。


「はいはいそこまで〜！ボクらの目的は偵察だからね。
ボスに報告しなきゃ。あの人のことだからお茶菓子も用意してくれて待ってるだろうからね」

「…そうですね。待たせない様に早く行きますか」

そういうとすぐさまそこを去ろうとする。

ボス…！その言葉に反応してディアが言った。


「カシス……！」

「それってボスの事ですか！？」

「ああ、名前はカシス。能力はほぼ見た事無いが、
魔女みたいな見た目からするとおそらくビームか……でも薬を持ち歩いている所を見るとドクターなのか。
それとも俺みたいにコピー能力の二つ持ちか」

「……どっちにしろ、強敵なのは間違いないね…」

第九話　洗脳？→←第七話　疑い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す