第四十八話 魔女 ページ49
「……御免なさい」
醜くて、気持ち悪くて、御免なさい。
騒動を起こして、リスクを顧みずに突っ走って、御免なさい。
何に対する謝罪なのかも分からないまま、彼女は呟いた。
「御免なさい、あっちが何かしたなら謝ります」
「醜くて、使い物にもならなくて、御免なさい」
「分かって上げられなくて御免なさい、家出なんてして御免なさい」
「愛せなくて、御免なさい。愛されなくて、御免なさい」
「何も、出来なくて」
御免なさい。
彼女はか細く、今にも壊れてしまいそうな程の震え声で言った。
何時もの色気も、大人ぶった声でもない。
「魔女」と言われ続けただけの、只の少女の声だった。
そんな彼女に、「天使」は声をかけた。
「申し訳ないと思うなら、生きてください。
生きて、生きて、がむしゃらに生きて」
「あの人達の罪の分まで償ってください」
辛い事を言っているけれど、ぼろぼろだけど。
カシスには、清い、醜くない願望が出来てしまった。
「……しょうが、無いわねぇ!」
涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げて、「ネル」をみる。
あーあ。此じゃあ新しく試したかった自 殺方法がうやむやの儘じゃない。
まぁ、それも又。
「一興、という事かしらねぇ」
ぼろぼろのカシスは、微笑んだ。
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みお - 終了パーティ開催だーー!(今書いている派生作品で後日談を書こうと思います!) (3月27日 21時) (レス) @page50 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
悪食 - わぁー!終了した…!お疲れ様でした〜! (3月27日 18時) (レス) @page50 id: 2373853ba8 (このIDを非表示/違反報告)
みお - カシス様ァァァァ( (3月27日 15時) (レス) @page47 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - あとはネルお嬢様とカシス姉さまだけ…? (3月27日 15時) (レス) @page46 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 円陣はずれさん» 大泣き(汗) (3月26日 20時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
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