第四十三話 毒 ページ44
「最初から、ボク達を信じる気は、無かったのですか…?」
「………」
「……ボス。ボクもね、毒でもうそう長くはないんです。」
「最後くらい」
良いことして、終わろうよ。
そんな言葉が喉を通過する前に、カシスの注射器が振られた。
「……ギフト」
毒でそう長くない、ギフトが言った言葉は本当だった。
約一時間弱、戦い続けた彼の体は徐々に毒に蝕まれていたのだから。
苦しかろう、一人で逝くのはさぞさみしかろう。
「大丈夫よ、すぐに貴方は「黄泉の国」へ行くから」
そう言うと、既に毒が回っているギフトの腕を大きな牙の付いた口で喰らう。
骨の折れるゴギッ、グギッと言う無残な音が彼女の口から放たれる。
血は吹き出し、金属で出来たと思われる鎖さえ、その強靱な牙で喰ろうてしまう。
「骨は…御免なさいね。
死にたいだけだから、解毒剤はあえて喰わないわ」
そう言ってヒールの靴で踏みつぶす。
此で解毒出来る選択肢も無くなった。
そして、くるりとネル達へ振り向くカシス。
「さぁ、もう一度。もう一度だけで良いから」
遊んでよ。
泣きそうな笑顔で笑うカシス。
ぼろぼろでも決意の表情を浮かべるはディア。
いつの間にかカシスの腕から抜け出し、「妹」と呼ぶネルを守るように立ちはだかった。
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みお - 終了パーティ開催だーー!(今書いている派生作品で後日談を書こうと思います!) (3月27日 21時) (レス) @page50 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
悪食 - わぁー!終了した…!お疲れ様でした〜! (3月27日 18時) (レス) @page50 id: 2373853ba8 (このIDを非表示/違反報告)
みお - カシス様ァァァァ( (3月27日 15時) (レス) @page47 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - あとはネルお嬢様とカシス姉さまだけ…? (3月27日 15時) (レス) @page46 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 円陣はずれさん» 大泣き(汗) (3月26日 20時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
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