じさつ願望、叶えて差し上げます (ページ43)

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第四十二話　お気に入りページ43

「この子はあっちのお気に入りなんだから～、やりすぎよ？」

「っ、すみません、ボス」

「謝らなくてもいいのに～」

そういうカシスの言葉とは裏腹に、標準が二人に向けられ、目は細められている。

冷たい視線をオサムに向ければ、ディアの腕をひく。

ディアをかばう様に立ちはだかった真意も、全くもって分かりやしない。

しかも、お気に入り、とは何だ？

予想だにしない言葉が矢継ぎ早に出てきて、ますます混乱するばかりだ。

「良いじゃん、リーダー。
平和な世界なんて興味ないね！安寧とか安泰とかつまんない！！壊して壊して、壊しまくろっ！
そうすれば、安寧とか安泰なんて訪れないよ！最後には俺達も死んで、ぜーんぶ終わり！だろ？」

「お黙り、オサム。」

しゃらん、と言う音と共に。

次の瞬間には大きな注射器がオサムの仮面を割っていた。

「あっちはねぇ、生きる希望がある人は別に殺したくはないのよ。
そういう自分の考えの押しつけも醜いと、今さっき感じたからね」

「じゃあ…」

「でも、それと此とは話が別よ」

そう言うと、手に持っていた注射器を一振りする。

オサムは、反応できなかった。

仮面だけではとどまらず、その帽子と目玉を貫通する。

「〈知恵の実〉」

そしてカシスが近づき、ぐちゃりと気味の悪い音がして、オサムが「喰われた」。

そして次は貴方だ、とでも言う様に注射器を向けて、カシスはギフトの周りに鏡を浮かせた。