じさつ願望、叶えて差し上げます

第三十九話　天使 ページ40

ネルside


置いて行かないで、捨てないで。

両親が死んだとき、わたしは愛に飢えた。

愛に飢えて、飢えて、飢えて。

何時しか人を助けて感謝される事が、わたしの生きがいになっていった。



それなのに。



シュビッシィーの人達は何故かそれを奪って行きます。

愛を、人を、全てを。




何故こんな事をするのか、分からない。



ネルは、ネルは間違っているのですか？

人と一緒に生きる事を望むのは悪いことなのですか？



なんで？どうして？



疑問ばかりが頭を埋めていく。

人を助けられないのなら、この手も、翼も、容姿も。

必要ないんじゃないか。

そう思っていた矢先、エンテェーに出会いました。

トモリさん、リガモさん、ディアさん、ウェイさん。

皆が暖かい手をさしのべてくれました。



だから、だから。



今度はわたしが貴方達を救って上げますよ、と。


約束したばかりだったのに、亡くしてしまった。

奪われてしまった。

ならば、ならば、次は。

わたしが貴方達にその苦しみを、悲しさを。


分かってもらえる事が出来たなら。


それでわたしは、十分です。


今度こそ、何も間違わない為に。

奪われない為に。

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