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第三十五話 苦戦 ページ36

ディアside


「ハァ………はぁっ………」

「キミ、なか、なか、やるじゃん………」

「ここまでの手練れとは…恐ろしいね…」


まずいまずいまずい!!

相手は息こそあがってるが、まだまだ魔力も本気も出してない!

一番楽に足止めできそう、なのは……、ツグミ、だったか。

幹部だが、大体後衛に回ってる、これなら多分、一人だけでもっ!

そう思って手を思いっきり後ろへと回してから、反動で前へと手を突き出す。


「《トランプイリュージョン》!!」

「っ!切り札だ!逃げろ!」


オサムがそう言ったのを区切りに、三人は次々と走り出す。

次々とトランプが雨霰の様に降り注いでくる。

ギフトは背中の骨で応戦をしているが、偶にこぼれてしまっているトランプが自分に刺さっている。

ツグミはそもそも走るのがおそいのか、時々トランプに引っかかりながら物陰へと隠れようとしている。

オサムはなんとかひもを使ってぶらぶら空中にてよけているが、それも難しく。

次の瞬間、ぶちりといやな音がしてひもが切れた。


「!?」

「オサム!」

「〈ワイドワイディング〉!」

「チッ、外したのかよ……ッ」


間一髪、ツグミのワイドワイディングで出したクッションがオサムを柔らかく包む。

しかし、ツグミが物陰から一回出てきてしまったのでトランプが次々と刺さっていく。

ツグミも最後の力を振り絞って、ダッとディアに駆けだしていく。

その瞬間。


「〈マジカ・スターアロー〉!」

「つぁッ!?」

「ツグミ!?」


ディアが目を狙って、ツグミへと矢を放った。

とてもよけられる速度ではない「ソレ」は、ツグミの綺麗な翡翠色の目から紅い花を散らせる。

ぼた、ぼた、と決してきれいではない紅は冷たい床を瞬く間に覆っていく。


「ツグミ…」

「…………逝ってらっしゃい、ですね」

「え、へへ……やっと、やっとアトリ、と、リガモ、に会える…よ」


そう言ったきり、ぱたりと動かなくなるツグミ。

……二人と一人は、また戦いを始めた。

第三十六話 弓矢→←第三十四話 注射



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みお - 終了パーティ開催だーー!(今書いている派生作品で後日談を書こうと思います!) (3月27日 21時) (レス) @page50 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
悪食 - わぁー!終了した…!お疲れ様でした〜! (3月27日 18時) (レス) @page50 id: 2373853ba8 (このIDを非表示/違反報告)
みお - カシス様ァァァァ( (3月27日 15時) (レス) @page47 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - あとはネルお嬢様とカシス姉さまだけ…? (3月27日 15時) (レス) @page46 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 円陣はずれさん» 大泣き(汗) (3月26日 20時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハイムーン | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年3月3日 10時

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