じさつ願望、叶えて差し上げます (ページ35)

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第三十四話　注射ページ35

カシスside

「ふふっ、うふふ、ふふふ♪」

そう言って楽しげに体を揺らす。

次々と出てくる鏡、鏡、鏡。

万華鏡の様にキラキラと紅を反射し、映していく。

「もう終わり？まだ出来るでしょ？」

あぁ、こんな安い挑発にのっちゃって！

可愛らしい翼を持った天使がこっちに来る。

「〈エンジェルアロー〉！」

あらあら、綺麗な矢ねぇ。

でも、でもよ。

「当たらなかったら、意味がないでしょう？」

「っ……！」

そう言って偽りの笑顔を向けながら、あっちの周りに待機させてる鏡の二つをネルに当てる。

翼も輪っかも手もぼろぼろでさぞ痛いだろう、苦しいでしょう。

「すぐにトドメをさして上げる♪」

「！？」

そう言って彼女の後ろに回り込む。

気づかなかったのかしら？そんなに速い速度では移動してない筈なのだけれど…。

「〈リフレクトフォース〉」

「させないっ！〈メメント・モリ〉！」

「？」

あら、身投げの技を持ってきたのね。

上々、やってくれるじゃないの。

こちらも相手をしないと無礼という物ね。

そう思いながらミュックに刺した物と同じ注射器を持ち出す。

唯一違うのは、中身が入っているという事。まぁ、それらは全部あっちの醜い感情なんだけど、ね。

「〈嫉妬〉」

「おごっッ！？」

「トモリさん！？」

そう言ってケダモノの顎を砕く勢いで思いっきり注射針を刺す。

ウイルスは排除しないと、ね！