第三十三話 願望 ページ34
「貴方ですね…!幼いから姿と声しか覚えて居ませんが、それでも十分です!
あのねっとりした様な色気のある声、大きな魔女帽子に、きらきらしたチャームがついていて…!」
「だから?」
「………へっ?」
「だから何なのかしら?」
「だ、だから、全部私の両親を唆した人ににていて…」
「同一人物だと、言い切れるの?」
「え、だって…」
「親族が居ないと何時言い切れる?あっちが君の事を知っていたのはエンテェーだからと言い切れる。
それにもし貴方があっちが唆した親の子供だとして、何時あっちに責任が回ってくる?」
「そ、それは…」
それはそうとて、とカシスは話を区切る。
先ほどまで狂った様に叫んでいたネルも、カシスの静かな反論によって今は弱々しく言葉を紡ぐだけ。
冷静さを欠けば、そこで終わりだ。
「まあ確かにあっちは貴方を見て、唆したわ。
苦しそうに、もがいていたんだもの。そんなのあっちは見ていられなかった!可哀想!」
「っ!」
「だからね、今日も、今この時も、あっちらシュビッシィーは間接的に人を殺める。
あっちらは悪者。それは揺るぎない事実。でもね、これだけは覚えておいて欲しい。」
「悪人の言葉なんかに…なんかにっ…!」
「でも優しい貴方はきいてくれている。だからあっちも言いたくなっちゃった」
どうか、どうか。
心の内にある醜き感情を殺して頂戴。
そう呟いて、カシスは自分の周りに鏡を出現させる。
其れは果たして、諦めた末の願望なのか。
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みお - 終了パーティ開催だーー!(今書いている派生作品で後日談を書こうと思います!) (3月27日 21時) (レス) @page50 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
悪食 - わぁー!終了した…!お疲れ様でした〜! (3月27日 18時) (レス) @page50 id: 2373853ba8 (このIDを非表示/違反報告)
みお - カシス様ァァァァ( (3月27日 15時) (レス) @page47 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - あとはネルお嬢様とカシス姉さまだけ…? (3月27日 15時) (レス) @page46 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 円陣はずれさん» 大泣き(汗) (3月26日 20時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
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