第三十二話 鏡 ページ33
「い゛ッだぁ……ッ!!」
「トモリさんッ!?」
「あらあらぁ……外しちゃったわぁ〜………残念残念」
かつ、かつ、かつん。
そんな感じの音が「上から」した。
「全く、騒がしいから来てみたら……ゴミでも入ってきたのかと思ったけれど、本当にそうだったみたいね」
「トモリさんの事をゴミって言うなっ!!」
「ケダモノごときが吠えないで、煩いの。少し静かにして頂戴?」
そう言ってカシスと思われる人影は杖を一振りする。
すると…
「はっ…?」
翼が、片翼の端っこが鏡で斬られる。
外した?わざと?
……だとすれば、やばい。
こんなに強い奴に、勝ち目なんて…
そう思いながら、だんだんと降りてくる人影の輪郭がはっきりした頃、ネルは怒りに震える。
「あ、なた、ですか……!!」
「ん〜?あらら、あっちと面識ある人って居たかしら?ディアくらいだと思っていたんだけれど…」
そう言って、同じ階へと人影は降りてきた。
カシス色の魔女帽子、藤色の体にとんがった靴。
腰につけた薬のポーチ、紅く閉じられた両目と、左目の下にはハート型。
薄く色付いた金で縁取られた二対の羽。
ちらりちらりと魔女帽子の中から見え隠れするのは鋭い牙が備えられた大きな口。
見るだけでは分からない。見え方によってはただコスプレしている様にも見えるだろう。
しかしコスプレでもおふざけでもない。これが彼女の普段の格好。
それが一層、ネルの記憶を呼び覚まし、明確にさせた。
「貴方が、私の両親を…!!」
7人がお気に入り
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みお - 終了パーティ開催だーー!(今書いている派生作品で後日談を書こうと思います!) (3月27日 21時) (レス) @page50 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
悪食 - わぁー!終了した…!お疲れ様でした〜! (3月27日 18時) (レス) @page50 id: 2373853ba8 (このIDを非表示/違反報告)
みお - カシス様ァァァァ( (3月27日 15時) (レス) @page47 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - あとはネルお嬢様とカシス姉さまだけ…? (3月27日 15時) (レス) @page46 id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 円陣はずれさん» 大泣き(汗) (3月26日 20時) (レス) id: 9b744e7a21 (このIDを非表示/違反報告)
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