じさつ願望、叶えて差し上げます

第二十六話　まさかの ページ27

「な、なんですか、これっ！！」

「さ、さぁ……」

「なんで今更ボウリングの巨大版をやらなきゃならないの〜！？」


そう言っているのもそのはず。

ボウリングのピンが、通路をこれでもかと塞いでいるのだ。


「これじゃあ通れないね…」

「……フレンズころがり」

「？なあに、それ」

「昔どこかで聞いたことがある。
皆で手をつないで輪っか状になって、そのままごろごろと転がるんだ。」

「へぇー……ってそれをやって何の意味があるの？」

「聞いたところによると、壁をも破壊する様だから、このピンもひょっとして…」


そう言って四人はピンを見上げる。

ころがり……やりたくは無いが、ここは通る為にやるしかない。

渋々皆で手をつないで、フレンズころがりの形態へと変化する。

すると、突然皆で転がり始める。


「わっ、わわわわわっ！？」

「絶対に手を離すなよッ!!」

「目、目がまわるぅー…！！」


上三人は騒いでいるが、ウェイなんて見てみなさい。

死んだ魚の目をしている。可哀想に……。


「あっ、か、壁ッ！」

「ぶつかるー！！！」


そう言って壁に思いっきりぶつかる。

見てみると、ピンは倒され、通れる様になっていた…というか通っていた。


「す、すごい…！」

「フレンズころがり……まさかここまでとは」

「二度とやりたくありません……」


そう言って先ヘとすすむネル。

慌てて三人はその後を追いかけていった…。

第二十七話　理解→←第二十五話　幻想

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す