じさつ願望、叶えて差し上げます

第二話　本拠地 ページ3

パタパタ、そんな足音を鳴らしながら誰かがドアへと近づいてくる者が居た。

そして、バタンといささか乱暴にドアが開かれる。

開いたドアから顔を出したのはネル。

焦った様に資料片手に、エンテェーの座ってるソファへと急ぐ。


「皆さんっ！！」

「あら、どうしたの？ネルちゃん」

「ついに……、ついに、シュビッシィーの本拠地が分かったんです！」

「えっ、ほ、ほんとうかい？」

「はい！」


今まで全く見つからなかったシュビッシィーの本拠地。

それが今日、ついに見つかったのだ。


「それで、どこなの？そのシュビッシィーの本拠地って。」

「それはですね！」


自信満々、という言葉が似合うネルがポップスター全体の地図を出す。

クッキーカントリー、レーズンルインズ、オニオンオーシャン、ホワイトウェハース、ナッツヌーン。

合計５つの大まかにわけられたエリアの地図だ。


「ここです！」


皆が地図をのぞき込む。

ネルが指さしていた所は……ホワイトウェハース。

見渡す限り一面の銀世界の広がる、極寒の地である。


「で、具体的には？ホワイトウェハースのどこにあるの？」

「えっっっっと………それはですね……」

「……分かんないんだな？」

「うぅ……はいぃ……」

「まあ、分かっただけでもいいじゃん！」

「ボス！/リーダー！」


どこらへんにある？と聞かれて口ごもってしまうネル。

やはり何回も拠点を移動しているのだから、そんな簡単な特定は難しそうだ。

そんな時、慰めに来たのがエンテェー、ボス。トモリだった。


「じゃあ、一旦シュビッシィーを倒す為に準備しよっか！」

「………はい」

「？ウェイ君、どうしたの？具合悪い？」

「いつもの事でしょう。気にしてたら気を病みますよ」

「うーん……そっか！」

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