じさつ願望、叶えて差し上げます (ページ17)

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第十六話　信念ページ17

「〈ジャンピングスナイパー〉！！」

「…そっちか。〈トリプルシュート〉」

そう言いながら、アトリはディアがジャンプしながら放たれた矢を銃で撃ち返す。

嘘だ、とディアは呟く。標準をあわす暇なんて無かったはず。

そもそもそれを狙う為にディアは不意打ちなどという卑怯なマネをしたのだ。

正攻法ではシュビッシィーには勝てない。

それは入っていた自分自身が一番分かっている事だった。

「(だったら、何を…！！)」

「諦めるのはまだまだ先だよ！ディア君！！」

「っ、ボス！」

「わたし達はこの世界でじさつする、苦しんでる人達を全員救うんでしょ！？
だったらこんな所でくたばっていられないよ！」

「……はい！」

「私達の事も忘れないで下さいね！リガモさん、立てますか？」

「……ええ、良いわ。やったろうじゃないの」

「り、リガモさん…？」

「精々あたしの方が強いって事を思い知らせて上げる！！」

・・・・・

「これはこれは……まずいわねぇ。
みぃんな、本気の目になってるわぁ～。すぐにミュックを向かわせて頂戴？」

鏡を通して見ていたカシスは、そんな声を上げながらそばに控えていたオサムを見る。

「しかし…」

「それにあの子は戦いを心から求めてる。ストレスのたまってる今向かわせても良いでしょう？」

「……」

「それに今近くに居るのはミュックしかいない。私の能力を使ったって戦闘はもう終わってるわ。
あーあ。……そんな事言ってるうちに、裏切りものが立ち上がっちゃったじゃない」

そのまま、地を這ってれば良かったのに。

今までに無く冷たい声。

それを聞いたオサムは、命令に従う他、無かった。

・・・・・