No,10 ページ10
「よしよし〜、さ、試しにあのお馬鹿さん達をなぶっておやり、さて…どうなるかなぁ…♪」
「タランテラさん、私らはどうすれば良いでしょうか?」
「そうだねえ…この子が引き留めてくれている間に、俺さんらも準備しようか〜」
「準備ってなにを…!」
「なにも…戦う準備だよ〜、君らの回復アイテムもちゃんと用意してるから、
その子を壊したらサーカスのテントの中に入るといいよ〜」
「待ちんしゃい!!」
「『悪役』が待つと思いマスカ?なんと可愛らしい思想なのでしょうカ!」
「ほら、煽ってないで行くよ」
「ハーイ!」
そうして談笑しながらテントに戻る。
最後にタランテラが振り返った様な気がしたが…気のせいだろうか…。
サーカス団の者達が完全にテントに入って行ったのを見届けてから、
冷静でこの中でも頭の良い、リィリとミツハギは周りを見た。
…セイルは一応こちらがまとまるまで待ってくれている様だ。
ならばその好意(?)に甘えて少しだけ顔あわせの様な事をするか。
おろおろと周りをきょろきょろする者、
これから起こる事に興味津々な者、
状況をよく把握出来ず、怖がっている者。
…今は協力するしかなさそうだ。
そう言う様に二人はお互いの顔を見て、頷いた。
そして最初に口を開いたのは意外にも物静かなリィリだった。
「今は皆で協力してここを出なきゃならないわね。」
「ああ、その為にも色々とやりたい事もあるし、な。」
「じゃあさ、もしかして作戦会議すっと!?」
「え、えと…う、うん…多分そうだと思うよ。」
食い気味なスアレスに若干ビビりながらも、シュニムは優しく答えてあげる。
ミソハギは皆が接しやすい人と分かると安心した様に言葉を紡ぐ。
…よくもまあ、敵の目の前で作戦会議が出来るものだ。
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