No,13 ページ13
「煩い!!」
「ほら、また右に振った」
「!」
流石冒険家。冒険先にて手練れとでも戦ったのか、
初っぱなからミソハギの癖が分かった様だ。
顔を真っ赤にしながら肩で息をしているミソハギに向かい、剣先を定める。
「そろそろつまんないからやめるョ。
どうせ僕なんかと戦いたくナイんでしょ?そう、どうせ。どうせ俺なんか…」
「なして…?一人称変ったっど…?」
「多分…本気になったんだと思う。そろそろぼーっとしてないで私達も加勢しないと…!」
「…そうね。」
待機していた三人も各自の武器を手にじりじりとセイルに近づいていく。
「(このまま
ううん、でも負けられない。マルクにも強くなったって自慢しに行くんだから…!)」
シュニムは自身の思考にすこし引っかかりを感じながらも表情を引き締める。
リィリは元から仏頂面だった顔をさらにしかめて。
スアレスは星を輝かせセイルを見つめ。
流石に五対一は分が悪いから負けるであろう…、そう考えた時だった。
バッ、と布のこすれる音がしてセイルと対峙している二人以外が振り返ると、
そこには手を正面に構えて、ハート模様のある目をとろけさせてこちらを見る団員、
メルが居た。
「あっ!もう気がつかれちゃったぁ!?メルおっちょこちょいだからなぁ…。
まあでもここまでくれば全然大丈夫ぅ!なんたって、メルちゃんはサイッコーに可愛いんだから!」
〈キュート・アグレッション!〉
そう叫んでメロメロビームを発射する。
可愛い、の対象は未だ不明だが、まあぶっちゃけ私もそれに共感できるので気にしない事としよう。
しかし味方側はそれに大打撃を撃たれてしまった。
ミソハギと、それを守ろうとしたフェリシア。
二人いっぺんに当たってしまったのだ。
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