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『ねぇ善逸、なんで私をお花畑に連れて来たかったの?』
私がそう聞くと、善逸は楽しそうに、嬉しそうに答える。
「Aちゃん、きっと今までお花とか見られなかっただろうから
見せてあげたくって…言葉で、だけど
ちゃんと伝えられてるかな?
すごく綺麗なところだから、Aちゃんと一緒に見たかったんだ」
『…伝わってるよ、ありがとう
私にも綺麗なお花畑、見えたよ』
「ほんと?よかったぁ」
善逸は本当に、優しい。
彼と出会ってから何度そう思ったか分からないくらい。
いつも私のことを、思ってくれる。
「あとね!これをあげたかったんだ!
がんばって作ったんだよ、俺作るのすごく上手いんだ!」
『花の…冠?』
「うん、シロツメクサで作ったんだ
禰豆子ちゃんにも!」
「むむっ」
善逸から貰ったのはシロツメクサの冠。
目で見ることは出来ないけど、網目もすごく綺麗で、きっとすごく可愛いんだろうなぁと思った。
「それでね、えっと…昼間、探したんだけど…
Aちゃんのにはね、四つ葉のクローバーがたくさん編み込まれてるんだ」
『四つ葉のクローバーなんて見つけたことないよ…すごいね』
「うん、俺がんばったからね!
どうしても、Aちゃんにそれをあげたかったんだ」
冠を触ってみると、四つ葉のクローバーがいくつも編み込まれているのが分かった。
一つでも探すのは大変なのに、こんなに探し出すのは相当大変だったと思う。
走っていったのは、四葉のクローバーを探しに行ってたんだ。
「これ…Aちゃんの頭に飾ってもいい?」
『?
うん、いいよ』
なぜか善逸からは緊張している音がする。
私の頭に乗せるだけなのになんで緊張しているんだろう。
そして優しく、私の頭の上に冠が落とされる。
「よし!
うん、とっても可愛いよ、Aちゃん」
『あんまりそういうこと言わないで…』
善逸くんはきっと色んな女の子にこういうことを言ってるんだろうけど、直球で言われると照れてしまう。
「…今はこれで、精一杯かなぁ俺」
『え?すっごく綺麗だよこの冠』
小さく呟く善逸にそう言ったけど、善逸はなんだか恥ずかしそうに笑うだけだった。
「じゃあそろそろ帰ろっか!」
『禰豆子ちゃんおいでー』
「むむー!」
禰豆子ちゃんと手を繋いで、善逸の隣を歩いて。
私はお花の匂いに包まれて、幸せな気持ちで蝶屋敷へと歩いた。
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四葉のクローバー 花言葉
「私のものになって」
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善逸推し - 面白かったです!この後の展開が気になります! (2020年8月16日 10時) (レス) id: 5160686bc8 (このIDを非表示/違反報告)
我妻咲耶 - もうほんっとサイコーです!!!! (2019年8月11日 4時) (レス) id: 3bb721340a (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 月影さん» コメントありがとうございます!本誌でのあの台詞を使うのはちょっと…と思い、あのような台詞になりました!とても嬉しいことばかり言って下さり、すごく嬉しいです!( *´ ∀ `)あまり早い更新ではありませんが、頑張ります! (2019年7月22日 23時) (レス) id: 0fe682c3ee (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - 1番最初のお話から読まさせて頂いてます!今回の話で、夢主ちゃんの前に立つ善逸...イケメンすぎて危うく私倒れるところでした笑話の内容もとっても面白くて、何回も読み返してしまいます!これからの展開がとっても楽しみです!更新大変かもですが、頑張ってください! (2019年7月22日 6時) (レス) id: 140bc76271 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - ひにゃたこさん» コメントありがとうございます!がんばります(*´▽`*) (2019年7月17日 23時) (レス) id: 0fe682c3ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えり | 作成日時:2019年7月16日 23時