キスが出来ない9 ページ10
及川の彼女side
「及川くんの事がずっと好きでした。付き合って下さい。」
私は学校で一番人気の及川徹君にダメもとで告白した。
及「俺もずっと好きだったよ。」
なんと及川君はOKしてくれた。
晴れて私は及川くん改め徹と付き合うことになった。
ある日の授業前。
私は徹のクラスでの話し声を聞いてしまった。
男「お前さ、及川の事好きだろ。」
女「え？！」
え？！
男「無自覚かよ…。普段めっちゃ及川の事見てるぞ。」
普段からよく見てるって。
そんなの許さない。
徹は私のものだから。
誰にもあげない。
そうだ。
徹が私に夢中になればいいんだ。
徹をどんな手を使ってでも私に夢中にさせる。
それなら薬でも盛ってみうかな。
方法は？
自然に徹に薬を盛れる最善の方法は…。
キスかな。
なら徹とキスするまでだ。
私はその日の放課後、徹の部活が終わるのを待っていた。
すると1人の女が体育館を尋ねてきた。
体育館の前のベンチに腰掛けていた私に軽く会釈して体育館のドアを開ける。
女「及川くんか岩泉君いる？」
え？今徹のこと呼んだ？
この子は何者なの？
その呼びかけに反応したのは徹ではなくてイガグリ頭の男子だった。
いかにも体育会系と言った感じの筋肉がモリモリの人だった。
男「ん？Aどうした？」
女「ボールが混ざってたから返しに来たの。」
男「すまねぇ。いつ混ざっちまったんかな…。」
女「この前の自主練の時じゃない？」
男「それはあり得るな。ゴメンなわざわざ。ありがとよ。」
女「全然大丈夫。ジャ。」
1通りの会話を終え女は戻っていった。
今手渡したのはバレーボール。
そう言えば徹もバレーボールやってる。
それで幼なじみの岩ちゃん？もバレー部らしい。
徹がプレーしている所は何回も見ている。
使う道具の説明も1回受けた。
だから今来た女がバレーをしていると私は分かった。
そう考えていると練習が終わったようだ。
1年生らしき人が私を見てすぐに徹を呼んでくれた。
及「あれ？！
「うん。一緒に帰りたくて。」
及「そうなんだ！ちょっと待ってて！すぐに着替えてくるから！」
徹は急いで更衣室へ行った。
私はこの間に薬入りの飴を取り出す。
これで徹は私だけを見る。
私に夢中になる。
あの女に取られないためにも。
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作者名：みれとん | 作成日時：2017年5月20日 15時
