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私が言い直すと影山くんもこくんと頷く。
「6割って何点なんだ?」
「ええと、60点満点だから…36点かな」
それを聞いてまた真っ白になる影山くん。
「ああ、死なないで(笑)
この前は何点だったの?中学の復習テストみたいなやつあったよね」
「…?そんなテストあったか?」
「…そこからかぁ…。あったって、、」
何かを思い出したようで、影山くんが机の中を漁り始めた。
しばらくして出てきたのはぐちゃぐちゃになったプリント1枚。
勢いのいい文字で書かれた名前の下に赤い数字が付けられている。
「24点、、」
これ、そんなに難しい内容じゃなかったような…。
しかも、復習テストは小テストと違って100点満点だ。
影山くん。勉強、苦手なんですね…。
「こうなったら教頭を脅して…」
なんか物騒なこと言い始めた!
「脅すよりも勉強した方が…」
「36点なんて取れるわけねーだろ」
「いや〜ヤマ張ればなんとかなるんじゃない?」
「? ヤマって」
「出そうなとこだけピンポイントで勉強するってことだよ」
「唐木、出るとこわかんのか!教えてくれ」
「いや、わかるっていうか…予想はできるけど…」
急に詰め寄ってくる影山くん。
天然なんだろうけどその無駄に整ったお顔は心臓に悪いです。
「わ、わかった!教えるから!」
顔が近い!!
「おねがいしァス。
…?なんか顔、変だぞ」
「そ、そうかな!?あはは」
「風邪ひいてんなら保健室行った方が…」
ぎゃーー!ほっぺた触ろうとしないでーー!!
思わず手を振り払ってしまった。
「だいじょぶだから!」
「そーか」
キョトンとした顔。
うう…無自覚なイケメンってタチ悪い…。
「でも、影山くん毎日部活あるでしょ?教えられる時間あんまりないね」
「ああ、そーだな。昼休みとかでいいか?」
「いいけど、、私が教えて終わりじゃないからね?自分でもちゃんと復習しなきゃダメだよ?」
影山くんが急にあさっての方向を向くもんだから私はまた笑ってしまった。
「かげやまくん、返事」
にっこり笑って問い詰めると
「…ウス」
小さな声で返事が返ってきた。
*
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作者名:たぬき | 作成日時:2019年8月23日 17時