【ハイキュー!!】黒蝉のかくれんぼ

samsara39 ページ41

「はぁ、はぁっ…」

思ったよりキツかった。

一応止血はしてもらったけど少し血を失いすぎた。

視界がはっきりしない。

「A、本当に大丈夫か？」

「大丈夫…心配しないで」

心配そうに話しかける岩ちゃんに笑みをうかべて答える。

あぁ、たぶんひきつってるんだろうな。

「少し休むか？」

クロが気遣ってそう言ってくれる。

でも、そんな暇はないと思うんだ。

一刻もはやく脱出の手がかりを探さないと。

「大丈夫。早く先に進もう」

クロは納得のいかない顔をしたがそのまま歩き出す。

皆気を使ってくれてるみたいで、歩くスピードを少し遅くしてくれている。

「ねぇAちゃん」

「…なに、徹…？」

「あのさ、さっき俺の後ろにいた女の子…なんだったんだろう」

「…さぁ、私にもわからない。…でも、もしかしたらあれが人形かもしれない」

今まで見た血まみれの女の人とかそういうレベルじゃなかった。

確かにその女の人たちも十分怖いし危険だった。

でもさっきの女の子はもっと違う…

…気配を感じなかった。

「…そっか」

「…？」

何か心当たりでもあるんだろうか。

徹は少し考える素振りを見せた。

「俺さ、さっきの女の子とどこかで――――」

徹が何か言いかけた時だった。

―――ミーンミーンミーン…

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