試合開始 ( 2 / 4 ) ページ16
「…速い攻撃なんか使わなくても ―― 」
「？」
山口のサーブはネットに引っ掛かって、得点は影山チームへ。( ミスした時、月島の大きな舌打ち聞こえたけど…友達にも厳しいんだな )
「勝ってやるよ」
そして、サーブは影山へ。( 影山のジャンプサーブか…強烈だったな… ) 教頭先生の一件で有耶無耶にはなっていたものの、パワーは圧倒的だった思っていれば笛が鳴った。
放たれたサーブは、かなりのスピードで相手コートへと向かう。けれど、パワー重視なのかコントロールは無く…真っ直ぐ大地へと向かう。
「…大地さんの武器は攻撃よりも、あの安定したレシーブだ。守備力はハンパねえぞ」
けれど、いとも簡単に上げられた事に驚きを隠せない様子の日向と影山。始まる前に渋い顔をしていた田中がコソッとふたりに告げる。
「…何点か稼げると思ったか？」
「？」
「…突出した才能が無くても、二年分お前らより長く身体に刷り込んで来たレシーブだ。簡単に崩せると思うなよ」
「 ── 嗚呼、大地先輩が月島チームに入った理由が何となく分かった気がする」
「「？」」
「ほら、大地先輩が言ってたじゃないですか。��個人技でどうにかするんだろうな��って。…あれってサーブの事も入ってると思うんです。寧ろ、バレーの中じゃ…唯一の個人技な上にブロックにも阻まれない最強の攻撃ですから」
ぽつりと呟いたAに不思議に思いながら見れば、縁下も同じだったようでA越しに目が合う。俺らふたりから視線を向けられれば、嗚呼と小さく口にしてからそう言った。
「何とか出来ないって言うのは今ので充分伝わったと思うんですけどね。まあでも、あのパワーのままコントロールが身に付いたら厄介な事には変わりない」
「 ── ホラ、王様！そろそろ本気出した方が良いんじゃない？」
「！ ムッ！なんなんだお前！昨日からつっかかりやがって！！王様のトスってなんだ！！！」
「君、
「？ こいつがすげー上手いから…他の学校の奴がビビってそう呼んだとかじゃないの？」
「ハハッ、そう思ってる奴も結構居ると思うけどね」
「？？」
「…噂じゃ、�爛魁璽半紊硫ν有瓩辰動枳勝∨明鄲莪譴力�中が付けたらしいじゃん。�牴ν有瓩離繊璽爛瓮ぅ箸�さ」
――「 ──あ、前々から気になってた噂は有ったんですけど…この際に調べてみようかと思って、そしたら…あの異名って北川第一の連中が付けたらしいですよ」
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作者名：紗羅 | 作成日時：2017年10月16日 1時
