【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ15)

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第５話：試合開始 ( 1 / 4 ) ページ15

【縁下視点】

「とくに王様が家来(・・)達に見放されて、一人ぼっちになっちゃった王様は見物ですよね」

「月島は恐らく、影山の過去(・・・・・)を知ってて、アレを言ってんだろうから余計に質悪いよなァ…」

何故かは知らないが、影山を敵対視しているように見える月島。己に向けられたら、少しはイラッとするであろう言葉を冷静に分析するAには流石としか言い様が無い。( まあ…自分に向けられている訳じゃないからこそ、かもしれないけど )

「でもまあ ── 煽る相手を選ばなかったのは、浅はかだったな」

「ねえねえっ、今の聞いたあ?? 月島クンてばもう……ホント、擂り潰す！！」

Aが言い終わるや否や、いつもより高い声で日向と影山に声を掛けた田中。かと思えば……、月島達に対して先程とは真反対の喧嘩腰の表情を見せた。

「そォォォォらァァァ！！！」

試合開始のホイッスルが鳴り、試合が始まって ── 先に試合を動かしたのは、田中のスパイクだった。

「彼奴は煽られたら、余計に力発揮するタイプだろ。生意気だって言ってた奴に、言われたんじゃ尚更な」

( …やっぱ達観的だなあ ) 勝負に負けるのが嫌だと言った時は西谷や田中に似ていると言ったけど、コートの外でも同級生を分析している辺りはやっぱり達観的で。

「 ── まあ…煩ェのと、熱くなって調子乗んのが玉にキズだけど」

一点入れただけで勝ったように騒ぐ田中に、周りからは明らかなブーイング。そんな光景にも慣れた様子で、言葉を続けた。( まあ、ご最も )

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【菅原視点】

「昨日もビックリしたけど、君よく跳ぶねぇ！それで、ほォ～～～んの30cm程、身長があればスーパースターだったかもね」

「…本人が一番気にしてるであろうところを、的確に突いて来るよなァ」

呆れを通り越して尊敬すると小さく呟いたAの眉間には僅かに皺が寄っていて。( 真正面から言われたら、ダメージが半端じゃないのは確かだけど )

「も、もう一本！」

木曜日の朝の件が有るまでは勝ちに必要無いだの何だの言っていたのに、止められても日向にきちんとトスを上げる影山。

「……………またブロック」

だけど、月島のブロックに何度も阻まれてしまう。もう何本目止められたか分からない日向に悔しさと焦りが見えていた。

「ほらほら、ブロックに引っ掛かりっぱなしだよ？〝王様のトス〟やれば良いじゃん！ついでに仲間(スパイカー)も置き去りにしちゃうヤツね！」

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