第15話:再始動 ( 1 / 4 ) ページ41
「後頭部直撃…!」
ピピーッと無情にも響いたホイッスル。ただのサーブミスなら未だしも…Aの言う通り、日向の放ったサーブはまるで導かれるかの如く、影山の後頭部に直撃して。
( まずい!1セット落としたって事よりも、ここで皆ピリピリして日向が更に畏縮したら終わりだ…!) ( 影山はともかく他の連中まで日向責めたりすんなよ…! )
「 「──…… 」」
「…ぶォハーッ!!ぅオイ、後頭部大丈夫か!!!」
「ナイス後頭部!!」
「!? 煽るのもダメだっつーの!!」
「ヤメロ、お前らっ」
何故こんな時に二人の息は合うのか。影山に対して思い切り笑う田中と月島。Aも笑いはしないものの、馬鹿じゃねェのと頭を抱えていて。
「…── じゃあ、もう緊張する理由は無いよなあ! もうやっちまったもんなあ!一番恐いこと!」
ゆらりと動いた影山に、話せば分かると後ろへと下がる日向。大声ではない会話に何を話しているのかは分からないけど、日向は完全にビビっていて。
そして少しすると影山がボールの当たった自身の頭を数回叩く。( スパァンって音してるけど、大丈夫か…? )
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【 櫻井視点 】
「とっとと通常運転に戻れ、バカヤローッ!!!」
皆が見守る中、壁に追い込まれた日向に対してそう叫ぶ影山。今のヘマはセーフ!?と驚く日向は相手側の選手一人を睨む。( 影山の話聞いて何かしらビビってたのか )
「おいコラ、日向ァ!!」
然し直ぐに凹んだ様子を見せた日向に、ずんずんと歩み寄る田中。田中の様子に気圧されたのか、ひぃぃと怯えながら正座した。
その間に待たせてしまう事になる相手チームに、すいませんと声を掛ければ、なんか知らねえけどこっちは大丈夫だぞと大人な対応に小さく今を下げた。
「…オマエ」
「……ハイ」
「他の奴みたいに上手にやんなきゃとか思ってんのか。イッチョ前に」
「………ちゃ…ちゃんとやんないと……交替…させられるから…おれ…最後まで試合…出たいから……」
「……オイ…ナメるなよ!!お前が下手糞なことなんかわかりきってることだろうが!」
「え゙っ…」
「わかってて入れてんだろ、大地さんは!」
「??」
「交替させられた時のことはなあ」
「!」
「あー…うー…交替させられた時に考えろ!!」
「えっ…」
「良いから余計な心配すんじゃねえ!!頭の容量少ないくせに!!良いかァ!バレーボールっつのはなあ!」
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再始動 ( 2 / 4 )→←練習試合開始 ( 2 / 2 )
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作者名:紗羅 | 作成日時:2017年10月16日 1時