第１２話：尊敬する人 ( 1 / 3 ) ページ34
「月曜日ってなんでこんなにダルいんだろうな」
「知るかよ。…つーか、お前はいつもだろ。それに土日関係無く部活出てるから日付感覚とか皆無に等しい」
翌日。青葉城西との対戦を明日に控えて、Aは基本的にリベロの専門であるレシーブ練に力を入れていて、いつも以上に疲れているように見える。
そんな昼休み。いつものように昼飯を持ってやって来た田中と木下。メロンパンに齧り付きながら言う田中に、最もな答えを淡々と返すA。
「あ、これ。メッセージで来たやつの詰め合わせな」
「お、アザース」
思い出したように坂ノ下商店と書かれた袋を差し出した田中と、それを相変わらず気怠げに受け取るA。パシリ？とド直球に尋ねる木下に、Aがンな訳と小さく笑う。
「新入部員が何人入るかつー賭けをして、負けた方が坂ノ下で500円以内で奢るって話でさー。ぴったり4人て当てやがった」
「大地さんが聞いたら、普通に怒りそうな内容」
「先輩の目の前で、ンな話は流石にしねえよ。冗談半分な所有ったし。…それにぶっちゃけ、不名誉な異名付いてる時点で来る奴は少ねェだろ」
「まあ、確かに」
それを言われてしまえば、返す言葉が無く。( �狢弔舛振�豪、飛べない鳥�瓠� ) ( いつも思うけど、ああ言うのって誰が付けて広まるんだろう )
「日向は�狆�さな巨人�疚榲�てなんだろうけど、影山はなんで何だろうな？ 青葉城西はアレだとして…白鳥沢とかもっと強豪行けたろうに」
「学力的問題じゃねェの。…頭が良いとは言えない一面が偶に見えてる気がする」
「……あー、否定はしねーわ」
木下の言葉に、そう空かずに口にしたA。彼らが入学して間もないのに良く見ているものだと思っていれば、田中も賛同する。
「つっても、お前にだけは言われたくねえと思う」
「確かに。それに田中は授業中に寝るのを辞めろってね」
「何なんだよォ、Aに縁下まで……」
然し、Aは坂ノ下商店の袋から取り出したジュースを真顔で飲みながら、サラッと失礼な事を田中に向かって何て事無いように呟く。( まあ、乗っかった俺も俺だけど )
「櫻井ー、女子が呼んでんぞー」
「？ 何」
「いや、知らんわ。自分で聞けよ」
Aの机突っ伏した田中に苦笑していれば、Aを呼ぶ声。其方をみれば、クラスメイトが廊下を指差していて。再び気怠けな声を出したAは、当然と言わんばかりの答えにゆっくりと立ち上がった。
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作者名：紗羅 | 作成日時：2017年10月16日 1時
