家だけ、 ページ11
あの後冗談とわかっているであろう母さんに説明し、なんとか風呂にありついた。
俺らを見てAは笑ってるし、いつか、そんな深い関係に…なんて、仮にも思春期真っ只中である俺の感情は揺れるのだった。
「も〜ばか〜」
風呂あがり、出来上がった俺たちふたりはリビングのソファに腰掛けていた。
正しくいえば、俺がソファに座って足を開き、その間にちょこん、とAが座っている。
濡れた髪をタオルでわしわしと拭く。
目の前には1面に広がるバレーの試合の録画。
「うわっ痛そう…」
岩泉「リベロはああいうのを柔らかくしてセッターに返すんだ、」
「渡っちすごいね」
風呂上がりの時間を利用してバレーの勉強をしたい、はじめの家なら沢山本数あるよね?
そう彼女は眩しい笑顔で聞いてきた。
勉強熱心なのは素晴らしくて、こうやってバレーボールに興味を持って貰えるのはありがたい。
ましてや、彼女だしな。
画面に食い気味にツッコミを入れる彼女の揺れる頭をうまいこと固定しながら髪を触る。
岩泉「こら、動くな」
「いや、だってね？かっこよくない?!ランニングジャンプサービス…」
興奮してるのか、頭が激しく揺れる。
拭けねぇ、動くなよこのやろう。
…なんて心で呟く。
岩泉「乾いたぞ、」
さらさらの髪に指を通す。1回りちっちゃい体が…可愛くて仕方がない。
「ね！ね！はじめ！！」
髪に指を絡める俺。
Aはワーワー騒いで画面に指をさす。
「おうぃえああああ」
「わああれらのッ！！！」
「主将ッ！！」
「トーオールううううッおいかーわ！！！」
…ボクシングの試合かよ。なんでそんなリング前の紹介みたいに叫んでんの。
青城の過去の試合が再生され始めていた。ああ、これは今の3年の俺らが1年の頃の練習試合。
確か、当時の3年が俺らの実力を伸ばすために『敢えて』した模擬試合。
勝てるはずないのに、という試合だった。
あぁ、懐かしいな。
「及川さんもこんな可愛い時があったのね」
岩泉「まぁな」
振り返るのは楽しいもので、あっという間に日を越した。目をさすって時々うたた寝をし始めた彼女の膝と腰に手を入れすくい上げるように抱き抱えると、
岩泉「おやすみ」
「おやすみなさい」
眼鏡をかけて家計簿をつける母にそう告げて自室へ、戻っていった。
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梨月 - 岩ちゃんかわいい！！ 続き楽しみにしてまーす！ (2017年9月30日 8時) (
レス) id: b4a84e38e5 (このIDを非表示/違反報告)
梨月 - この作品最高です!! 岩ちゃんの嫉妬がかわいすぎ〜 (2017年7月18日 22時) (レス) id: b4a84e38e5 (このIDを非表示/違反報告)
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