椚ヶ丘中出身の男装女子は烏野高校＜2＞

間に合え..... ページ27

その日は絶対安静だって言われてたからマネージャーできなかった

だからベッドの上で来栖、鷹岡についての考察をしていた

...仕掛けやすいのは山

だとすればケイドロの時間？

とりあえず俺と渚は狙われるだろう

要警戒

ジャージの下に体育着も来ている

くるならさっさと来い

夜も代わりで見張りをしていた

でも、誰も気づかなかった。

あとであんな危ない目に会うとは。


次の日、俺は一睡もせずに部屋を出てすぐの渡り廊下で涼んでいた

風通しがいい

今の時刻は朝４時半

....怖いくらいに静か

嵐の前の静けさのよう

少し涼んでからみんなを起こしに戻ろうと考えていると声をかけられた

「紫紅？...おはよう、早起きだなぁ」

声の方を向くと澤村さんだった

紫「おはようございます。...なんだか目が覚めちゃって」

澤「ここ涼しいな....」

紫「....暖かいですね」

これは、伝わらなくてもいい

あえて使ってみる

澤村さんが知ってるとは思わないけど...

澤村さんは驚いたようにこちらを見て少し微笑む

澤「...そうだな」

知っているのか？

いや、普通に暖かいって思ったって思って貰えば....

紫「そ、ろそろ起床時間ですね」

澤「ああ、もうそんな時間か。起こしに戻ろう」

俺は澤村さんに続く

俺はそれからずっと心臓がうるさかった

あと、黒いモヤモヤが胸にあるような...

嫌な予感が消えない

時間は流れて、昨日もやった裏山ドロケーが始まろうとしていた

....胸騒ぎ

紫「いそ、がい....」

磯「？どうした、紫紅.....？」

山にはもうすでにほとんどの奴らが入っていた

E組も含めて

その瞬間俺の耳は大っ嫌いな音を拾った

紫「山に入るなっ！！！」

まだ入っていなかった奴らは俺の声に驚いて足を止める

紫「そのまま校庭に集まってろ！磯貝！来栖だっ！来栖と鷹岡が山の中にっ...!!入った奴らを急いで救出、律、みんなに伝えて！」

律『り、了解です！』
磯「？！わかった！」

俺も急いで山に入る

業『こちら中二半、山頂から東南に3メートルほど、鷹岡と交戦中。メンバーは性別と、ギャルゲーの主人公、ギャル英語』

紫「りょうかい、来栖は見つけた人いるか？」

倉『こちらゆるふわくわがた、来栖恭二発見。山頂から北に4メートルほど。周りには誰もいない模様....あ、烏野の...』

それを聞いた瞬間俺は北側へ急いだ

ここからだと近めの場所だ

頼む、誰も傷つけずに.......間に合え！

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