reason ページ46
“パラレルワールドって、要は異世界のことなんだけど。普段住んでる世界と重なるようにして存在する異世界。別次元の世界。別次元だから、そこにはおれじゃないおれが居たりする。だからおれは偽者じゃない。わかる？ おれは、他の世界の“孤爪研磨”だよ”
“訳わかんない？ まあおれだって最初はこんな世界信じちゃ……というか知らなかったし。でも少し前からずっと同じ夢を見るようになった。夢にはおれが出てきたけれど、全然おれとは違う日々を過ごしてた。……全然、違った。そんな夢を毎晩毎晩見て、うんざりするくらい見て、そしたら……
『あの日々が欲しい？ あの日々を得るための、“相棒”が欲しくはない？』
……気付いたら頷いてた”
「それから……初めてそこの三人に会った」
「初めて？ 及川さんはともかく他の二人は……」
「初めて、だよ。言ったでしょ、おれは別の世界の孤爪研磨だよ。……バレーなんてしてない」
だっておれにはバレーに誘ってくれた幼馴染みなんて居なかったから。そう苦笑いする別次元の自分に孤爪は言葉を詰まらせた。
「スポーツとか動くのとか好きじゃないし……ゲームの方が好きだしバレーとか興味ない。スポ根とか一生無縁だと思ってたけど、……なんか羨ましかった」
“そっちのおれの方が楽しそうで”
ごめんね、と小さく呟いた“孤爪”に孤爪は何も返さなかった。……返せなかった。
「……そっちの俺は？」
「“孤爪”が言ってたのと大体同じですよ。ただ俺はバレー自体はしています。二年生で正セッターというのも同じです。……ただ、梟谷では無いので」
“レギュラーになれなかった三年生から嫌がらせを受けてます。そろそろ退部するつもりです”
「んなっ、そんなこと俺が止める！」
「木兎さん、でしたっけ。こっちの世界にあなたは居ないんです。そもそも梟谷じゃないって言ったじゃないですか。……でもまああなたがいたら」
“辞めようなんて考えなかったんだろうと思うと、羨ましかったんです”
だから許してほしいとは言いません。命に関わるような罠を用意しといてそれはおこがましいので。
どこか遠くを見るような目で“赤葦”は言うと、小さく息をついた。
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わか - 神作品だとおもいます！ (2月6日 20時) (
レス) @page50 id: ba86f2a0b9 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - ぽすとがかりさん» 2年ぶりにこの作品をまた思い出してくださって大感謝です、ありがとうございます！！ 長く覚えて頂けているというのがとても嬉しいです。 (2022年1月17日 19時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
ぽすとがかり - 2年くらい前に出会ったこの作品をもう一度見たくてめっっちゃ探しました！やっぱり何度見てもホントに感動します！作ってくださりありがとうございます！！もう神様 (2022年1月17日 15時) (レス) id: f31b841de2 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - zeroさん» 大分昔の作品なのに読んで頂けて嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年9月5日 3時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
zero(プロフ) - もうこれ神作品以上 (2021年9月3日 15時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
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