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goal ページ41

睨み付けながら日向は影山ににじりよる。その顔はさっきの偽者とは全く違うものだった。必死さのにじみ出るような顔だった。



「帰れ。帰れよ影山!!」
「帰ってたまるか!!」
「じゃあおれの脚が無くなっても良いってのかよ!!」


「木兎さん」
「…………」
「返事も、しないんですか」


「岩ちゃん、」
「……帰れ及川」


「……そういうことだ。研磨、帰れ」
「……“お前らの選択次第じゃあれは“本当”の事になる”」
「は?」
「……何か隠してるでしょ。クロも、そこ三人も」


今までずっと黙っていた孤爪が口を開いた。その顔は怒りでも、諦めでも無かった。ゲームの攻略法を見付けた時みたいだ、と黒尾はぼんやりと考える。


「選択次第ってことは何かと何かを選べるんだよ。だから、脚を引き換えにする以外の方法があるはず」
「……んなもん、ねぇよ……」



『ある』


もう何度目かの空から降ってくる声だった。日向を初めとする四人の肩がピクリと動いた。



『ある。選べるよ』
「……めろ」
『知らないままは不公平……だから教える』
「やめろ!! 言うな!!」



岩泉の絶叫も虚しく、スピーカーは告げた。
もう一つの条件を。



『相棒の脚か、お前らのバレーの技術か。どちらを失うか選べばいい』



―――――――――



それきりスピーカーからの音は途絶えた。



「……帰れ研磨。もしくは俺の脚を選べ」
「なんで」
「何で? んなもんお前から技術奪う訳にはいかないからだろ。うちの背骨で脳で心臓はお前なんだぞ……?」


「だから黙ってたんですか木兎さん。喋るとぼろが出るから」
「……っ、帰れ赤葦」


「岩ちゃん……俺、」
「及川、一度しか言わねえぞ。……お前からバレー取るような真似したくねぇんだよ……だから帰れ」



「何で孤爪……わかったの?」
「選択肢があるってところ。……それから、三番目のミッション。今までのミッションと違った。生死に関わるような物じゃなかったし……“おれらをよく知ってる”って感じがした」
「……当たりだよ。俺らが、お前らを来させない為に考えたんだよ」


お前らの嫌がることを、出来なさそうな事を。
ここに来させないために。

「だから……帰ってくれ」





唸るような苦い声の響くなかで。
その中で影山は言い放った。



「……それなら俺の技術? をやります」
「ばっ、影山!! 言ってることどういうことなのかわかってんのかよ!!」
「わかってる。やるよ、帰れんだろそれで」

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わか - 神作品だとおもいます! (2月6日 20時) (レス) @page50 id: ba86f2a0b9 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - ぽすとがかりさん» 2年ぶりにこの作品をまた思い出してくださって大感謝です、ありがとうございます!! 長く覚えて頂けているというのがとても嬉しいです。 (2022年1月17日 19時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
ぽすとがかり - 2年くらい前に出会ったこの作品をもう一度見たくてめっっちゃ探しました!やっぱり何度見てもホントに感動します!作ってくださりありがとうございます!!もう神様 (2022年1月17日 15時) (レス) id: f31b841de2 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - zeroさん» 大分昔の作品なのに読んで頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2021年9月5日 3時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
zero(プロフ) - もうこれ神作品以上 (2021年9月3日 15時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えま | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年6月10日 21時

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