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ここでいきなりその話題か。
宮兄弟に弁当見せたことなんかない。だから二人は否定するしかない。
「いや、ちゃいます」
「俺らAちゃんの弁当見たことあらへんもん」
そうしたら、じゃあ誰ってなる。そうしたら、北くんって子だよって答えなきゃいけなくなる。その事自体に抵抗は無いはずなのに、どうも心臓が妙だ。
「……それは違う子。北くんって友達がいるの。その子」
「「……友達？！！」」
「な、なに」
なぜか食い気味に反応した双子が、ばつが悪そうに、何か言いたそうに顔を見合わせた。これはあの時の表情に似てる。
どうして私に構うのかと、聞いたときの表情に。
「いや、なんでもないんやけど……北さん……」
「でも北さんやしなぁ……」
「……なんだそれ」
「ようわからんけど、その北くんって子が誉めてくれたんやね。ありがとうって、言っといてね」
よくわからない。けどお祖母ちゃんがいる手前詳しくも聞けない。そういえば、もう宮治は普通に上体を起こしていた。
「宮銀髪。頭はもう痛くないの？」
「その呼び方やめや……もう大丈夫」
すくっと立ち上がった。
なるほど、足元もふらついてないみたいだ。本当に軽度の熱中症だったんだろう。あとは、お祖母ちゃんがあげたおにぎりが空腹を満たしたんだろう。
「ちゃんと食べなよ。運動部なんだし」
「いやAちゃん、こいつめっちゃ食うからな」
「食べても腹減る」
「バレーやめたらデブまっしぐらやな」
「やめんから平気やし」
呑気な会話をしながら縁側で靴を履き終えた二人を、お祖母ちゃんと共に見送った。夏の日差しは刺すようだけど、庭木の生い茂ったここはいくらか涼しい。
「お世話んなりました」
「ありがとうございました」
「ええよぉ、また遊びに来てねぇ」
「真っ直ぐ帰りなよ。また倒れたら困る」
わかってる、とでも言うようにひらひらと手を振って二人は遠ざかっていった。
「ええ子たちやったねぇ」
「……まあ、うん」
「北くんって子も、そのうち連れておいでね」
「………………」
どうもそれは現実的でない気がした。友達と言っても、一緒に遊んだりしたことはないのだから。まず北くんは休日遊んだりするのだろうか？
それでもお祖母ちゃんの言葉を否定しなかったのは、たぶん私が“いつかそうできたら”と思っているから。
「……まあ、聞いてみるかな」
この、翌日のことだった。
私が校長室に呼び出されたのは。
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えま(プロフ) - Roaさん» コメントありがとうございます！！ 北さんの魅力を表現出来ていたなら何よりです！！ 宮兄弟も書いていて楽しかったので、そう言って頂けるとありがたい限りです！！ (2020年6月19日 8時) (
レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
Roa(プロフ) - 読んでる途中心臓が痛かった…っ、でも北さんの真っ直ぐなところがもう心にぐっときていつも間にか目の前歪んで（；＿；）宮兄弟の「やぁぁっとくっついたん！？！？」が個人的にめちゃくちゃ好きでした笑北さんの勘違いしていた触れなば落ちんの意味も素敵で感動 (2020年6月19日 5時) (レス) id: edef434db0 (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - 宙さん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！！ 切なさ甘酸っぱさを味わって頂けたなら嬉しいです！！ (2020年5月31日 16時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 胸がギュッてなった！なんて素敵な終わり方！！！こんな作品を作っくれてありがとうございます！ (2020年5月31日 14時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
菜乃花 - いやいや！！お気になさらず(^^)中学のときは皆まだ幼いので仕方ないと思ってます笑その分も今全力で楽しめてます！これからも頑張ってください！一緒にハイキュー！！も応援し続けましょう〜！ (2018年12月1日 10時) (レス) id: 77a025593a (このIDを非表示/違反報告)
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